「夢に見るのは歩ける娘ではなく、車椅子の娘」親子で挑む日々 8歳YouTuberの新たな目標「サボろうという気持ちにならない」

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2025年07月15日 07:30  まいどなニュース

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手術を機に、車椅子生活になったりおなちゃん(riona3710のインスタグラムより) 

5歳の夏に受けた側弯症の手術の影響で胸から下の感覚が麻痺し、車椅子も3年となった8歳のYouTuberりおなちゃん。去年は手術で入れた2本の金属が折れて、再手術。歩きたいという思いから、術後もトレーニングに励む日々が続いています。

【ビフォーアフター写真】トレーニングを続けて…こんなに変化が!

りおなちゃんママは、「歩けなくなってすぐの頃は、歩けた頃の夢をよく見た」のが今は「夢に出てくる娘も車椅子のことが増えた。今日も頑張るしかないし、明日も娘は歩けないだろう。それは決してネガティブな意味ではなくて、ただ現実としてそうなだけ」という今の気持ちを伝えています。

大人でも根を上げてしまう過酷なトレーニングを3年間続けながら、興味のあることにはどんどんチャレンジ。「無理めのことに挑んで、実現できたらかっこいい」と話すりおなちゃんと、りおなちゃんママに取材しました。

「現実と向き合うのは心と体も疲れるけど…」 

「ジム行くんは、えんやけどさぁ。ママが忙しくしてるときに、俺行ってくるでぃ。で、帰ってきたら疲れたぁ〜ん、しんどい〜ん(略)。この行動正解?」「なんで、私とデートできる前提で話よるん?パパと行けるとこない!」

パパへのお説教動画やコント風のやりとり、小学生とは思えない悩み相談への回答など、SNS投稿が人気のりおなちゃん。

その発信は家族が想像していた以上に注目を集め、TV出演、アーティストデビューなど家族を取り巻く環境は大きく変化しましたが、家族の願いが「いつか家族で手をつないで歩きたい」であることに変わりはありません。

「いつか歩けるようになるかもしれないって信じ続けることと、今日も歩けない現実と向き合うことの両立はすごく心も体も疲れるけれど、だいぶ日常になりました」という切なる想いと共に、りおなちゃんママが綴った「頑張れることは幸せなこと」。

その言葉に「なんて素敵な言葉なんでしょう」「同じ気持ちで頑張っている女の子がいる!と励みになっています」「頑張ることに無駄なことはないと思っています」と共感する人が続出しました。

頑張ることによって、安定した座りができるようになったこと、脚に筋肉がつき、麻痺しているお腹も自らの意志で膨らませたり、凹ませたりできるようになったこと、体温調整が以前よりできること、足指の爪の伸びる速さが増したことなどの変化を嬉しく思い、りおなちゃんの努力を誇り、応援してくれる人々の支えに感謝しています。

「知らないことを知るって楽しいから」

トレーニングとともに実はりおなちゃんが、頑張っていることがもう一つ。2022年の12月頃からは、韓国語を習得するためにアプリや参考書などで勉強を続けています。

やっぱり、K-POPアイドルや韓国コスメに憧れて?の問いに、「それは、ちょっと違ってて。英語はアルファベットでなんとなくわかるような気がしたけど、ハングル文字って日本語と全然違うから、面白いなと思ったのがきっかけ。これ、読めるようになったら、かっこいいなと思ったから」とりおなちゃん。

「知らないことがわかるようになるって楽しい!」「できないのが恥ずかしい、とかダメとか思わない。韓国語をペラペラ話す自分をイメージして、毎日勉強しています」と満面の笑みで、勉強の楽しさをレクチャー。

学校の宿題を行う流れで、韓国語の勉強もするので毎日のルーティンに。「しんどいから、サボろう」などという気持ちには、「まったくならない」と話してくれました。 

「無理めでも挑戦する、それが大事!」

2024年の韓国語検定は猛勉強の甲斐あって、5級に合格。今年は、なんと、4級・3級をW受験しました。

「去年5級に合格していたので、4級はもともと受けるつもりでした。4級は結構自信があったけど、3級は内容が一気に難しくなります。でも併願出来ることを知って、両方受けて受かったらカッコイイし、あと資格って3級からは履歴書に書けることを知っていたので、挑戦してみたいなと思いました」とりおなちゃん。

りおなちゃんママは、「私は、ハングルは分からないのですが、調べてみると3級は結構難易度も高そうで、娘には難しいのではと感じていました」。しかし、本人の挑戦したい気持ちを大事にしたいと考え、ダメもとで出願したそう。

そして、ネットでの合格発表。ドキドキが高まっている様子はSNSでも見ることができ、視聴している人たちも緊張。結果は見事W合格でした。

「めちゃくちゃ嬉しかったし、受けて良かった〜!と思いました。試験までの3ヶ月くらいはすごく勉強も頑張ったので、余計嬉しかったです」と興奮冷めやらぬ様子で、りおなちゃんは喜びの声を伝えてくれました。

りおなちゃんママも「まさか!という感じでした。3級の試験後は、本人もテンションが下がっていて、“絶対落ちた〜”と話していて、そのつもりでいたので…。間違いじゃないかな?と思って、何回も受験番号を検索しました」と笑います。

 「いろいろな国の言葉を話せるようになりたい」

「知らない言葉を勉強して話せるようになれたら、かっこいい」というまっすぐな思いからスタートしたりおなちゃんの韓国語勉強。頑張りやパパへのお説教動画がバズったことから、韓国のテレビ局の情報番組から取材を受けたことも。

番組内では病気のことなども取り上げられました。番組を見たりおなちゃんは「話すスピードが速くて、まだ難しい。韓国旅行に行ったときも、現地の人の話す言葉は速いと思いました。勉強を続けて、スピード感のある会話がしたい。まずは、韓国語検定準2級に挑戦したいです。でも内容がすごく難しくなるので、来年は無理かもしれないけど…」。

さらに、夢はまだまだ広がります。

「いろんな国の言葉を話せるようになるのが目標。韓国語の3・4級合格は、夢に一歩近づいたかなって。

アメリカにも行きたいから、英語も少しずつ勉強しています。いつかは英検も受けてみたい。あとは、アラビア語も勉強しようとしてるのだけど、ほんとに難しすぎます。語学にすごく興味があるので、これからも言葉の勉強は挑戦し続けたいなと思っています!」  

りおなちゃんママは「韓国語検定に受かって、もちろん嬉しいし、8歳でこんな難しい挑戦をものにした娘を尊敬します。夫とも、すごいなと話しています。ただ、頑張りすぎるタイプなので、そこは無理しすぎないように。寄り添っていきます」。

「知らないことや難しいことができたらかっこいいなと思って」と話すりおなちゃん。既に十分かっこいいその姿に、多くの人の心が揺さぶられ、応援したいという気持ちになるのではないでしょうか。

 ◇ ◇

 「娘が生きやすい世界を用意してあげたい」との両親の思いと「YouTuberになりたい」というりおなちゃん自身の夢を形にした『ちいりおちゃんねる』は、2022年12月のスタート以来、チャンネル登録者数が増え続け、168万人超えに。インスタグラムのフォロワー数も46.4万人。多くの人がりおなちゃんを応援し、その頑張りに励まされています。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)

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