エア・ウォーター、大阪・関西万博で“ミライの地球環境とウェルネス”をテーマにバイオメタンの活用を紹介

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2025年07月15日 10:40  マイナビニュース

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エア・ウォーターは、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン リボーンステージにて、7月9日〜7月12日の4日間、「エアウォーター 未来フェス! 〜地球の恵みと共に〜」を開催。多彩なゲストを招き、エア・ウォーターが描く“ミライの地球環境とウェルネス”について、気軽に楽しめるプログラムを展開した。


7月11日には3本のステージプログラムを実施。ここでは、「家畜がつなぐ!? ミライの宇宙とヘルスケア」と「社員が教えるサイエンス授業〜バイオメタンって何?〜」の2イベントについて紹介する。

○■家畜がつなぐ!? ミライの宇宙とヘルスケア



「家畜がつなぐ!? ミライの宇宙とヘルスケア」では、宇宙開発に詳しい企業・専門家による、わくわくするような未来の宇宙開発についてトークディスカッション。ステージには、SPACE COTAN 代表取締役社長 兼 CEOの小田切義憲氏、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 産官学連携研究センター 災害栄養情報研究室 室長の坪山(笠岡)宜代氏、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙探査イノベーションハブ 主任研究開発員で、Exspace 代表取締役の大熊隼人氏が登壇した。


本ディスカッションでは、エア・ウォーターが携わる無限の可能性を秘めたバイオガスが、ロケットの燃料から未来の宇宙開発、またヘルスケアをはじめ将来の展望に繋がっていることについて語られた。



「2040年には宇宙産業は110兆円から130兆円くらいまで成長する」と語る小田切氏。SPACE COTANは、北海道大樹町で商業宇宙港「北海道スペースポート」の事業推進・管理運営を行っているが、現在計画しているロケットでは、エア・ウォーターが作るバイオメタンガスの利用を計画し、すでに実験を進めているという。牛の糞尿から取り出したメタンガスをロケットの燃料として活用することは、宇宙と農業、第一次産業が繋がっていることを意味している。「宇宙産業というと、なかなか遠い世界のお話だと思われる方も多い」としつつ、「実はものすごく身近で、GPSをはじめ、私達の生活にはなくてはならないツールになっている」と続ける。


また、大樹町では、農業に関しても、人工衛星のデータを活用して効率的や省人化を図るトライを行っているとのことで、「我々の生活にも密接に関わってくる衛星利用に繋げていきたい」との展望を明かした。



「2040年代には月で1,000人が生活することが計画されており、その中で、私達は食べ物について取り組んでいる」と話す坪山氏は、産官学が連携して、月の食事を変えていく「SPACE FOODSPHERE」という取り組みについて紹介。月で生活するためには、今の宇宙食だけでは、栄養が不足したり、偏ってしまうため、月に農場を作り、そこで米、さつま芋、じゃが芋、大豆、レタス、トマト、胡瓜、苺といった8品目を育てることが計画されている。



また、この8品目をおいしく食べるためのメニュー開発も進められているという。そして、野菜だけではなく、月で魚を養殖したり、きのこをつくることも計画。大阪ヘルスケアパビリオンの「アクアポニックス」は、そのモデルになるものだと説明した。


宇宙食の取り組みは、地球にも活用する動きも始まっている。常温保存が可能で、コンパクトで簡単に食べられて、衛生的という宇宙食の特長は災害食に一致。災害食は宇宙のノウハウで作られており、「我々が食料を備えることで宇宙開発も進む」とし、「宇宙から地球へ、地球からまた宇宙へ。これを繋げていきたい」と締めくくった。



これまでJAXAの対象は地球に近いところであったのに対し、「数年前から、月面に向けた研究開発も進めている」と話す大熊氏。日本でも月面に基地を作るという計画が進んでいるそうで、月面滞在拠点や月面農場などのイメージ図を紹介する。そして、アポロ計画以来の「リアルに月面に降りるという世界」が近い将来に訪れることを予告。「月面で滞在するために必要なのは食料」と、食料の重要性について言及する。しかし、現在の月面輸送コストは1kgにつき1億円となっており、「食料をすべて輸送することは困難」と指摘。そのため、「月面でいかに生産し、循環するかが大事になる」との見解を示した。


そして、「JAXAもいろいろな企業さんと連携しながら進めないと、宇宙開発ができない」という現状から、「非宇宙企業とどれくらいコラボレーションできるかが一つのポイント」と明かす大熊氏。月面基地は究極の閉鎖環境であることから、いかに資源を循環できるかが重要であり、「これは地上での資源循環と同じ」であると指摘。共通の課題を見出すことが重要であり、極限の環境で構築できれば、当然地上でも活用できるという考えを明かした。


○■社員が教えるサイエンス授業〜バイオメタンって何?〜



「社員が教えるサイエンス授業〜バイオメタンって何?〜」では、ゲストとしてお笑い芸人のゴー☆ジャスが出演。ゴー☆ジャスを生徒役に、エア・ウォーター カーボンニュートラル推進室の曽我寧々氏がバイオメタンについてのサイエンス授業を行った。


「エア・ウォーターでは、牛さんのウンチや食品の残りモノなど、捨てられている資源を有効活用してエネルギーを作っている」と話す曽我氏。今回のサイエンス授業で、牛の糞尿からバイオメタンを取り出し、液化バイオメタンとして利用するまでの流れを説明。さらに、授業内容にあわせて、参加型クイズを実施し、回答者には「未来のミックスドリンク」のプレゼントされた。



牧場から臭いの原因となる牛の糞尿から発生するガスの活用法を相談されたことをきっかけに、エア・ウォーターは液化バイオメタンの生成に着手。液化バイオメタンの特長について曽我氏は「牛さんのウンチや、食品の残りモノなど、ゴミから作ることができる地球に優しいエネルギー」「火をつけると、よく燃える無色透明の液体」など、液化バイオメタン(LBM=Liquefied Bio Methane)の特長を紹介。現在、エネルギー源として利用されているものの多くが海外から輸入している化石燃料由来であるのに対し、液化バイオメタンは国産のエネルギーであることも強くアピールする。


北海道十勝地方で生成されている液化バイオメタンについて、「あつめる」「はこぶ」「ひやす」「つかう」という4工程に分けて紹介。生成された液化バイオメタンは、工場・一般家庭の燃料やトラックの燃料などにも利用されるが、純度が99.9%と非常に高品質であり、高度な制御が必要なロケットの燃料としても使用することができるという。



「牛のウンチからエネルギーを取るという発想がすばらしい。天才的思考」と絶賛するゴー☆ジャスは、最後に「これからもエア・ウォーターのバイオメタンをいろいろ知って、活用していくしかナイジェリア!」と一ネタ披露し、会場を笑いで包んだ。

○■大阪ヘルスケアパビリオンでの取り組み



「大阪ヘルスケアパビリオン」は、大阪・関西万博の地元大阪が「REBORN」をテーマに、未来に実現を目指すヘルスケアや都市生活の体験、iPS細胞をテーマにした再生医療の可能性の発信、屋外ステージでのイベントなど様々な情報を発信。大学や企業、府民・市民とともに産学官民一体となった出展であり、エア・ウォーターもプレミアムパートナーとして名を連ねている。


健康データをもとに作成された25年後の自分(アバター)と出会い、ミライのヘルスケアや都市生活を体験できる「リボーン体験ルート」において、2050年頃を想定した「ミライの都市」エリアに、エア・ウォーターは「ネオライフスタイルLDK」と題したブースを出展。その日の健康データや気分に基づいて食事を作ってくれるキッチンや、AIによるパーソナル運動サポートなど、自分らしく暮らすだけで、地球も人も健康になるあたらしい暮らしの体験を提供した。


また、おいしく健康的なフードなど、豊かな食文化・新たな食文化を発信する「ミライの食と文化」ゾーンでは、「AIR WATER NEO MIX STAND」として、北海道の旬な美味しさがつまった、「ミライのミックスドリンク」を提供。先端ロボットが、ドリンクの充填から蓋の取り付け、提供までを行うという、まさにミライのスタイルに多くの注目を集めていた。


また、「エアウォーター 未来フェス! 〜地球の恵みと共に〜」の期間、リボーンステージでは、高性能両面受光型垂直ソーラー発電システムを設置し、自然エネルギーで納涼空間を演出。次世代型CO2回収装置「地球の恵みステーション」で作られたドライアイスと、ミストによる視覚的・体感的にも涼しいスペースを展開した。(糸井一臣)

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