<バドミントン:ジャパン・オープン(OP)>◇第2日◇16日◇東京体育館◇女子ダブルス1回戦
「シダマツ」が国内最後の大会で白星発進した。
昨夏のパリ五輪銅メダルの志田千陽(28)松山奈未(27)組(再春館製薬所)が、2−0で保原彩夏、広上瑠依組(ヨネックス)にストレート勝利。8日に世界選手権(8月、パリ)をもってペアを解消すると発表して以降で初めて試合に臨み、世界ランキング2位の実力を発揮した。ジャパン・オープンは過去6度出場も、最高成績は8強。自国舞台で悲願の初優勝を目指す。
◇ ◇ ◇
国内最終戦の初陣を快勝で飾ると、志田は何かを思い出すように小走りでコート脇へ向かった。バッグから取り出したのは「シダマツ」と刻まれたピンク色のタオル。勝利したら掲げるつもりだった。
|
|
願い通りに2人で手にすると、思わず笑みがこぼれた。松山は「温かい声援の中で試合ができた」とほほ笑んだ。
今後の方向性に差が生じたこともあり、世界選手権をもってペアを解消すると発表してから8日。松山は「久しぶりに緊張した」というが、2人でコートに立つと不安も和らいだ。
試合開始直後にいきなり3点を奪われても「2人で1点を取りに行く」と冷静に対応。第1Gを21−13の逆転で奪うと、第2Gでは21−11と圧倒した。
志田は「自分たちの経験ってすごいなと。試合になれば不安は一切なくて。松山がカバーしてくれる信頼のもと、プレーがどんどん良くなっていった」と実感。結成11年で培ってきたあうんの呼吸が光り、わずか37分で決着をつけた。
「最後、最後というよりも、1試合、1試合のつもりで」
|
|
志田の言葉通り、「最後」としみじみとかみしめるよりも、いつものような明るい表情が際立った。
取材エリアで松山が「名前を呼ばれることはあまりないのでうれしかった」と自国のファンの声援を喜ぶと、志田は「いやそんなことない」と普段から声援を受けているとツッコミ。試合後に掲げたタオルの話題を振られた志田は「1枚しかないので、洗濯が乾けばまた持ってきます」と笑い飛ばした。
「いろいろ意識はするけど、シダマツらしいパフォーマンスをしたい」
明るさも武器の2人が、初優勝がかかる最後の国内大会を味わい尽くす。【藤塚大輔】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。