限定公開( 10 )
7月18日、アニメ『鬼滅の刃』シリーズの最新作にあたる『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』がいよいよ公開される。
そこで本稿ではネタバレをできるだけ避けつつ、今回公開される劇場三部作の見どころになりそうなポイントを原作について触れながら紹介していきたい。
「無限城編」の舞台となるのは、「無限城」という異空間。敵も味方も隔絶された戦場で、鬼殺隊の柱や炭治郎たちが上弦の鬼との全面戦争を繰り広げていく。そこではこれまで描かれてきた因縁の決着や、登場人物たちの覚醒が大きな見どころとなる。
まず第一章で注目したいのが、上弦の参・猗窩座との戦いだ。本予告映像では、猗窩座が炭治郎と対峙する構図が描かれている。
猗窩座といえば、「無限列車編」で炎柱・煉獄杏寿郎と死闘を繰り広げた鬼。当時の炭治郎はその境地に付いていくことができず、煉獄が命を奪われるところをただ傍観するしかなかった。自身の無力感に涙を流す炭治郎の姿は、アニメ『鬼滅の刃』でも屈指の名シーンとなっている。
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とはいえ炭治郎はこの時の悔しさを胸に刻み込んだからこそ、驚異的な速度で成長を遂げることができた。はたして現在の炭治郎は、猗窩座と渡り合えるほどの強さを身につけているのか……。これが「無限城編」の1つの見どころと言えるだろう。
また、今回の劇場版が原作に準拠した構成であれば、炭治郎と猗窩座の戦い以外にも、鬼殺隊と上弦の鬼の戦いが同時進行で描かれていくことになる。第一章で戦いが描かれる可能性が高いキャラクターの1人が我妻善逸だ。
善逸は高い実力を秘めていながらも臆病な性格で、隙あらば稽古をサボろうとする姿が描かれてきた。しかし「柱稽古編」の第7話で伝書雀から手紙を受け取ってから、その様子は一変。いつもの騒がしさは鳴りを潜め、炭治郎が心配するほどの真剣さで修行に取り組むようになっていた。
声をかける炭治郎に対して善逸は、背中越しに「やるべきこと……やらなくちゃいけないことがはっきりしただけだ」と低く静かな声で返す。この一言は、声優・下野紘の演技力も相まって心境の変化を鮮烈に印象づけた。
手紙には一体何が書かれていたのか。そして善逸と上弦の鬼のあいだにある“因縁”とは何なのか。普段のコミカルな一面とは対照的な、善逸の“本気モード”に期待が高まる。
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三部作のどこで描かれるかは分からないが、これまであまり出番がなかった柱たちの本格参戦も、「無限城編」の大きな見どころだ。なかでも注目が集まるのは、岩柱・悲鳴嶼行冥だろう。
悲鳴嶼はあまり素直に他人を認めない伊之助が「鬼殺隊最強」と評するほどの実力者で、他の柱からも一目置かれているほど。さらに「柱稽古編」第7話の回想シーンでは、鬼と初めて戦った際のエピソードが明らかにされていた。
当時の悲鳴嶼は子どもに食料を譲ってやせ衰えた状態でありながら、素手で鬼を倒し、夜が明けるまで頭をつぶし続けたという。しかも戦闘訓練を受けたことがないどころか、生まれて初めて本気で誰かを殴ったのがこの戦いだったそうなので、恐るべきポテンシャルだ。
今まで悲鳴嶼の実力が披露される場面はほとんどなかったが、「無限城編」ではついにその全貌が明らかになるはず。ufotableのアニメーター陣がどのような描写で“規格外な強さ”を表現するのか、目が離せない。
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そして鬼殺隊を迎え撃つ上弦の鬼たちの戦いぶりも、「無限城編」の緊張感を支える大きな要素だ。中でも異彩を放つのが上弦の弐・童磨。宮野真守が演じるその飄々とした声色は、かえって不気味さを際立たせている。
童磨は「遊郭編」の最終話の描写で、妓夫太郎と堕姫の2人を鬼として勧誘した張本人であることが分かっている。また「刀鍛冶の里編」第1話では、鬼たちが集合した際に猗窩座を軽口で挑発。その拳によって顔面を破壊されながらも即座に再生し、「いい拳だ。前よりも少し強くなったかな? 猗窩座殿」と余裕そうに笑って受け流すといういかにも強者めいた素振りを見せていた。
猗窩座よりも上位の席に座る鬼なので、圧倒的な実力を秘めていることは間違いないだろう。鬼殺隊の面々がどのように打倒するのか、気になるところだ。
鬼殺隊の柱に上弦の鬼たち、そして鬼舞辻無惨……。主要キャラクターが一堂に会する「無限城編」は、これまでの物語の総決算と呼ぶにふさわしい。死闘の行方を最後まで見守ろう。
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