大雨で浸水の幼稚園、生かす2年前の教訓 止水板設置へCF 秋田

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2025年07月18日 07:01  毎日新聞

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大雨の有事に備え、止水板の設置を進める聖霊女子短大付属幼稚園・保育園の仁村由美子園長=秋田市で2025年7月15日、工藤哲撮影

 2023年7月中旬の記録的な大雨で約60センチの高さまで浸水した秋田市の聖霊女子短大付属幼稚園・保育園は、園内の止水板設置に充てるクラウドファンディング(CF)を始めた。9月30日までで、同園は「もう二度と園児や園が同様の被害に遭わないよう幅広く支援を呼びかけたい」としている。


 当時の大雨で園内の1階部分は全て水につかった。保育室やキッチンルーム、職員室などの重要なスペースが使えなくなり、隣接する付属高(当時)の一角に一時移転を余儀なくされた。23年12月に工事で復旧したものの、被害関連の総額は約8000万円に達したという。


 設置準備を進める止水板は土のうの約100倍の止水性を持つアルミパネル製だ。設置には500万円が必要で、CF目標額はこのうち250万円とした。残る250万円は自己負担する予定だ。


 同園の仁村由美子園長によると、2年前の被災後、大量の水につかった備品などを処分せざるを得ず、炎天下で職員や保護者、関係者らが園内の片付けや清掃に追われた。「当時の大雨は今も忘れがたい記憶になっている。この時の経験から、有事にはまず2階に逃げるよう誘導することや、60センチより下には大事な備品や書類を置かないことなどを心がけている」と話す。園内で排水ポンプの設置工事なども進めている。


 CFは3000円、5000円、1万円、3万円、5万円、10万円の6コースがある。協力者の名前は園のホームページに掲載し、園児からのお礼のメッセージや手作りクリスマスカードなどを送る。グループ、法人単位でも受け付ける。問い合わせは同園(018・835・5692)。【工藤哲】


「2年たつと記憶が薄れる」


 秋田県の鈴木健太知事は14日の定例記者会見で、23年の大雨から2年となったことを受け「2年がたつと記憶が薄れてくると思う。ぜひ普段から物資や食料の備蓄、天気予報に気を配ってほしい」と改めて注意を呼びかけた。



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