供述誘導、事実隠ぺいの疑い指摘=「信頼揺るがしかねない」―福井事件再審判決

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2025年07月19日 07:34  時事通信社

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2024年10月23日、再審開始が認められ、笑顔を見せる前川彰司さん(中央)=金沢市
 福井中3殺害事件の再審で前川彰司さん(60)を無罪とした判決は、捜査機関による供述誘導や不利益な事実の隠蔽(いんぺい)などの疑いを指摘し、「司法への信頼を揺るがしかねない深刻なものだ」と厳しく批判した。

 事件では、知人の一人が「(前川さんから)犯行告白を受けて本人をかくまった」と証言。他の知人らも「血の付いた前川さんを見た」「車を貸した」などと、前川さんが犯人であるかのような供述をし、当初、有罪の根拠とされた。

 再審判決は、警察が知人の一人に不当な利益を供与したほか、供述調書の内容を他の知人らに示唆するなどしたと指摘。検察側は供述誘導について荒唐無稽だと主張するが、そうした捜査が実際に行われていた疑いが浮かび上がるとした。

 また、知人が事件当夜に見たと証言したテレビ番組の放送日時、内容に関する捜査報告書の重大な誤りを検察が明らかにしなかったことに言及。「不利益な事実を隠そうとする不公正な意図があったと言われても仕方ない。公益の代表者としての職責に照らし、失望を禁じ得ない」と強く非難した。

 その上で、「警察、検察の不正、不当な活動やその疑いは刑事司法全体に対する信頼を揺るがしかねない深刻なものだ。検察官の主張は不正な行為などから目を背けたと言うほかない」と断じた。 

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