函館2歳Sに出走するブラックチャリス(撮影:山中博喜) 今週の日曜日は、函館競馬場で函館2歳ステークス(GIII・芝1200m)が行われます。
JRAでは世代最初の重賞となる函館2歳S。出走馬のほとんどが前走を勝ち上がり挑んでくることもあり、素質の高さが重要になる印象です。加えて、芝1200mで開催されていますので、短距離向きのスピードを備えていることも好走するためには必要不可欠と言えそうです。
過去10年の函館2歳Sの3着以内馬を見ると、馬体重が450キロ以上だった馬が8勝2着7回3着7回と良績を残しています。小柄な馬に比べて、ある程度の馬体重がある馬はそれだけ筋肉量が豊富であり、短距離向きのスピードやパワーを備えているために良績が集まっていると言えそうです。
しかし、事前にレース当日の馬体重を正確に判断することはできません。そこで、過去10年の函館2歳Sでの前走の馬体重に注目してみると、ここでも450キロ以上の馬が8勝2着7回3着7回となっています。前走の時点である程度の馬格があることを示している馬の方が優勢と言えそうです。今年の函館2歳Sでも前走の馬体重に注目してみるのもいいかもしれません。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走馬体重436キロ以下の牝馬(ただし、前走2番人気以内の馬は除く)
[0-0-0-7]複勝率0%
該当馬:エスカレイト、ノアールビーナス、ブラックチャリス
(過去の該当馬:21年ポメランチェ1番人気7着、19年パフェムリ3番人気4着)
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。
上位人気が予想されるブラックチャリスが該当しました。
過去10年の函館2歳Sでは前走の馬体重が436キロ以下の牝馬は苦戦傾向にあります。先述したように筋肉量が豊富な大型馬に良績が集中する一戦ですので、小柄で筋肉量で見劣るであろう牝馬が苦戦するのも致し方ないところ。
前走の馬体重が436キロ以下の牝馬でも、そのレースで2番人気以内の支持を集めていれば好走の可能性は残されます。前走で2番人気以内に支持されるのは血統や調教の動きなど素質の高さを示す材料があった馬と言えます。高い素質がある馬であれば、馬体重が小さくても結果を残す可能性があるのでしょう。
該当馬に挙げたブラックチャリスの前走馬体重は432キロで人気は3番人気。過去10年の傾向を重視するならば、人気でも全幅の信頼は置きづらい1頭と言えます。
また、ブラックチャリスの前走は牝馬限定戦。過去10年の函館2歳Sでは前走が牝馬限定戦だった馬は19頭が出走し2勝2着1回3着2回。単勝回収率55%、複勝回収率69%とそれほど期待値は高くありません。
函館2歳Sは牝馬限定戦ではありませんので、前走で牡馬やセン馬相手のレースを経験していることも牝馬が好走するには必要不可欠な要素と言えるかもしれません。
前走はレコード勝ちで強い内容ではありましたが、今回は牡馬相手で勝手が違いますし、前走の走りができないことを考慮したいところです。人気で配当妙味も薄いことを思えば、他の馬から入ることも策のひとつと言えるのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。