
写真の「目」を見ればわかると思いますが、全く人馴れしていない外猫数匹が保健所に収容されました。
【写真】目をけがしている1匹は治療に専念し、他の2匹は飼い主募集を始めることに
このうち1匹は他の猫や動物から攻撃を受けたのか、片目を怪我しており萎縮していました。
この外猫たちのように「人馴れしていない」「怪我をしている」または「あまりに高齢である」といった犬猫は、「新しい家族を見つけるのが難しいだろう」とされ、保健所でそのまま殺処分の対象となることが少なくありません。
しかし、どんな状態の犬猫も等しく尊い命があります。その尊い命を人間側の都合で奪っていくことがあるというのが、今の日本の動物にまつわる悲しい現実の一つです。
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あえて人馴れゼロの3匹の保護を決意
そんな状況に一石を投じ、動物1匹ずつの命を少しでも救い出したい、と活動を続けているのが宮崎県の愛護団体・咲桃虎(さくもんと)。
団体では冒頭で触れた人馴れゼロの外猫数匹をあえて引き取ることにしました。たっぷりの愛情を注ぎ、少しずつ人馴れを進め、穏やかになったところで「ずっとのお家」に繋いであげることにしました。
保護当初の「シャーシャー」から、やがて甘えてくるように
保護当初の3匹はやはり人間を敵だとみなし、睨みつけてはシャーシャーと威嚇していました。なかなか手強い3匹ですが、ここは慌てずにゆっくり時間をかけて心を開いてくれることを待ち続けるしかありません。
団体メンバーの根気強いお世話と献身的なサポートは数週間に及びましたが、この間に3匹の猫たちは「この人たちは敵ではない」「むしろ味方なのかもしれない」と悟ってくれた様子で、次第に団体メンバーにデレデレに甘えるようになりました。さらに、団体施設でも警戒することなく、思うがまま、自由に動き回ってくれるようになりました。
また、初期の健康診断では嬉しいことに3匹とも重篤な持病などは見つかりませんでした。片目を怪我した1匹には治療が必要ですが、他の2匹はすぐに里親募集にかけることにしました。
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現状では、まだ3匹ともに「ずっとのお家」が見つかっていない状況です。しかし、あれだけ人間を威嚇していた3匹が、短期間でここまで心を開き人間を信用してくれるようになったように、それぞれにぴったりの「ずっとの家族」との縁が、ほどなくしてつながるように思えてなりません。その日を夢見て今日も団体では3匹に献身的なお世話をし続けています。
(まいどなニュース特約・松田 義人)