【バレー】関田誠大が初解説 日本上位進出のカギは石川祐希主将「彼の力はこんな物ではない」

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2025年07月20日 05:00  日刊スポーツ

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石川祐希(2024年12月撮影)

「買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2025千葉大会」の男子が千葉ポートアリーナで行われている。前回準優勝の日本(世界ランキング6位)は予選ラウンド(R)7勝4敗で、開催国中国と上位7チームによるファイナルR(30日開幕、寧波)進出圏内につけている。昨夏のパリ五輪で正セッターを務めた関田誠大(31)がこのほど、日刊スポーツで初の解説に挑戦。ここまでの代表の戦いを振り返り、上位進出のカギをひもといた。日本は今日20日、予選R最終戦で同5位の米国と戦う。


   ◇   ◇   ◇


これまで、外から代表を客観的に見る機会はなかなかなかったので、とても新鮮です。パリ五輪から代わったメンバーもいますが、和気あいあいとバレーをしている日本は「やっぱり強いな」と感じています。


17日の東京五輪銅メダルのアルゼンチン戦は、ファイナルR進出へ大きな1勝となりました。0−2から3セット連取で逆転勝ち。相手が強かれ弱かれ、あのような展開で勝ったことは自信になったと思います。


特に、小川智大選手のプレーが印象的でした。第1週から正リベロとしてチームを救ってきましたが、この日は第3セットからの登場。苦しい場面にもかかわらず、オポジットのバックアタックに対するレシーブなど、見事なつなぎを見せてくれました。ああいうプレーが出ると、自然と周囲の動きが良くなるもの。守備から良い流れをつくってくれました。小川選手は、センスがあってポジショニングもコントロールもいい。よく相手を見ているし、声も出す。非常に助かっているのではないかと思います。


ここまで、富田将馬選手の活躍も光ります。小川選手と同様、昨年のパリメンバーではありませんが、第1週から代理主将としてチームを支えました。背は他の選手と比べて大きくない(190センチ)ですが、攻守に安定感があります。アルゼンチン戦では途中出場で速いトスからのスパイクを何本か決めていましたが、あの局面で決められる選手は頼りになる。特に守備面では献身的にやってくれるし、リリーフサーバーとして試合に入ることも多いので、信頼されている証拠です。


もちろん、チームの伸びしろも十分です。第2週までは、決定機で宮浦健人選手に持っていくとか、大塚達宣選手や富田選手がリバウンドを取ったりディフェンスで拾ったり、と役割がハッキリしていました。みんなで1点を取りにいく姿勢が目立ちました。ただ、今週は合流したばかりの選手も多く、当然ですけどチームとしての完成度はまだまだ。サイドアウトのパスの精度を上げたり2段トスをネット際に持っていったり、そういうところでも、もっと得点のチャンスが増えると思います。


あとは表情。劣勢になった時こそ雰囲気に出やすいので、もう少しポジティブに試合運びができたらいいですね。その上で、キーマンはやはり、石川祐希キャプテンになると思います。コンディションについてはわかりかねますが、彼の力はこんな物ではないはず。期待しているので、楽しんでプレーしてほしいです。


◆関田誠大(せきた・まさひろ)1993年(平5)11月20日、東京都江東区生まれ。東洋高−中大から16年にパナソニック(現大阪B)正式加入。18年に堺(現日本製鉄堺)移籍。17年から選出される代表では19年のW杯から正セッターに定着し、21年東京五輪ベスト8。同年からポーランドでプレー。23年にジェイテクト(現愛知)入団。24年パリ五輪も8強に貢献した。25年VNLは右足首手術のため欠場。25−26年シーズンはサントリーでプレー予定。175センチ、70キロ。

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