『北斗の拳』“かませ犬”キャラが再評価!? 新作アニメで注目したい“南斗聖拳”の使い手たち

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2025年07月20日 08:00  リアルサウンド

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『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』ティザーPV!!のYouTubeより


 『北斗の拳』の完全新作アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-(フィスト オブ ザ ノーススター)』が、2026年に放送・配信されることが決定した。


 公式情報として「新たなスタッフ・キャストと最新の映像技術によって原作の魅力を余すことなくアニメ化する」という方針が示されているが、そこで気になるのが“南斗聖拳の扱い”だ。



 『北斗の拳』といえば北斗神拳によって悪者をなぎ倒していく主人公・ケンシロウの生き様を描いた作品。そこで南斗聖拳は、北斗神拳と対をなす拳法という位置づけだったが、ファンのなかには「かませ犬」だと考えている人も多いだろう。


 というのも作中に登場する南斗聖拳の使い手は、あっけなくケンシロウに敗れてしまうパターンが多い。たとえば原作初期の「GOLAN編」に登場した南斗無音拳の使い手・カーネルは、暗殺拳の使い手という肩書きながら、ケンシロウに一瞬で見破られ敗北。強敵(とも)としてのちに再登場することもなく、典型的なかませ犬扱いで終わってしまった。


 こうした描写が出てくる背景としては、「108の流派が存在する」という設定が元凶と言えるだろう。一子相伝かつ一流派しかない北斗神拳に対して、南斗聖拳は流派が乱立しており、使い手も玉石混交。強者だけでなく雑魚キャラも目立ってしまうというわけだ。


 さらに1980年代に放送された旧アニメ版で、“ネタ枠”としか思えないアニオリ流派が多数登場していたことも、南斗聖拳のイメージが悪化した原因と言えるかもしれない。


 第12話で小悪党のジャッカルが使用した「南斗爆殺拳」は、点火したダイナマイトを相手に投げつけるというもの。ケンシロウから「火薬に頼って何が拳法だ」と冷静なツッコミを受けてしまっていた。


 さらに第19話に登場した「南斗人間砲弾」はガレッキーというオリキャラが編み出した技だ。部下たちを大砲で打ち出して上空から急襲させるというもので、最後には自分自身が砲弾となってケンシロウに襲い掛かった。


 それに続く第20話では、列車のように可動する大砲が「南斗列車砲」という名前で呼ばれており、もはや拳法とは何の関係もない次元に突入していた。正式な108派ではなく「勝手に名乗っているだけ」という技も多そうだ。


南斗水鳥拳のレイに南斗鳳凰拳のサウザー、その実力は?

 とはいえ、南斗聖拳の使い手が全員弱いわけではない。代表格として挙げられるのが、南斗水鳥拳の使い手・レイだ。


 「水面に浮かぶ水鳥のように優雅華麗」と称されるその拳法は、スピード感と軌道の読めない攻撃が強み。モヒカン系ザコに囲まれても涼しい顔で片付けるなどのクールな描写で、作中屈指の人気キャラに数えられている。ケンシロウと肩を並べて戦う姿も多く、ほぼ“相棒”的なポジションと言えるだろう。


 だが、そんなレイもラオウとの戦いでは敗北。馬に乗ったままのラオウに秘孔「新血愁」を突かれ、三日後に体内から血を噴き出して死ぬという無惨な最期を迎えた。この展開はラオウの圧倒的な強さと、ケンシロウとの因縁を際立たせるための演出ではあるが、同時に「ラオウにはまったく歯が立たなかった」という印象を生んでしまった。


 しかし戦いの描写をよく見ると、ラオウは決してレイを侮っていたわけではない。戦闘前には「死兆星は見えたか」と問い、真剣に向き合うべき強者として対等に評価していた節がある。あっけない敗北はたんなる力量差の表現ではなく、ラオウが確実に仕留めるべく“全力で潰しにきた結果”だったのではないだろうか。


 さらに“南斗最強”とも言われるのが南斗鳳凰拳の使い手・サウザー。「聖帝」として独自の帝国を築き、ケンシロウを何度も追い詰めた難敵だ。


 サウザーは「心臓が右側にある」という特異体質の持ち主で、秘孔の位置が常人とは異なるのが強み。しかし一部では、「特異体質頼みで、実力はそれほどではない」などと評されることもある。ケンシロウとの初戦にてあっけなく技を見切られ、秘孔を突かれる場面があるからだ。


 だが南斗鳳凰拳は構えをとらず、防御を捨てて“制圧前進”に徹するのが特徴。あえてケンシロウの攻撃をその身で受け止めたと言うべきだろう。防御力と引き換えに手に入れた技の破壊力は並大抵ではなく、初戦ではたった数回の極星十字拳でケンシロウを切り裂き、勝利を収めていた。


 そして身体の謎を暴かれてからも、強者としての格は揺らがない。南斗鳳凰拳には“対等の敵”が現れた時のための究極奥義・天翔十字鳳が存在するからだ。これは相手が自分に触れることは許さず、一方的に攻撃を加える華麗な技だった。帝王のプライドは決して伊達ではない。


 新作アニメでは、いかにして南斗聖拳の強さが表現されるのか。ただでさえ華麗な技の数々が令和の映像表現によって蘇ることで、ファンたちの評価も一新されるかもしれない……。


 



このニュースに関するつぶやき

  • 基本的に南斗派なんで、新作アニメでは活躍を増やさしていただきたい
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