限定公開( 1 )
3年前に旅立った愛猫にソックリな野良猫が現れ……。感動を呼ぶ展開がYouTubeで3部作にわたり公開され、記事執筆時点で再生数が計24万回を超えています。
投稿したのはYouTubeチャンネル「僕の名前はデブ」。先住犬1匹と40匹以上の保護猫と暮らしており、以前はサブチャンネル「僕の名前はデブ2nd」で、山に捨てられていた猫たちを保護した様子が話題となりました。
今回の動画は2024年の夏に出会った野良猫の話題。3年前に旅立った愛猫「デブ」ちゃんの3回忌の日に、デブちゃんにそっくりな茶白の猫ちゃんを見かけたのです。この辺りの猫ちゃんみんなTNR(※)済みなので顔を把握しているのですが、この子は新顔。すぐに後続車が来てしまったため、「うちにおいでね」と声をかけてその場を離れました。
※TNR……Trap・Neuter・Return(トラップ・ニューター・リターン)を略した言葉。捕獲器などで野良猫を捕獲(Trap)し、避妊・去勢手術(Neuter)を行い、元の場所に戻す(Return)こと
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それから約1カ月後、投稿主さんの家の勝手口にあのときの猫ちゃんが現れました。その日はすぐに姿を消してしまったのですが、5日後に再び現れ、用意してあったごはんを食べてくれました。
その後の猫ちゃんは月に2回ほどの頻度でごはんを食べに来るようになったのですが、他の場所でもごはんをもらっているのか、どんどん体がふくよかになっていきます。投稿主さんはずっとTNRしたいと考えていましたが、思うように保護できないうちに季節は冬に近づいてきます。
デブちゃんに似ている猫ちゃんをSNSなどで見かけることがありましたが、家族全員が口をそろえて「デブだ!」と言ったのは初めてとのこと。デブちゃんが野良猫時代にこのエリアで子孫を残していた可能性があり、これだけ似ていると血縁関係があるのかもと考えます。
年が明けて寒さが厳しくなっても猫ちゃんは不定期にごはんを食べに来ていました。名前は決めていなかったけれど、自然とみんな「ブブ」ちゃんと呼ぶように。家の中で暮らす猫ちゃんたちと網戸越しのご対面も果たしました。
寒さをどうにかしてあげたいと考え、大寒波目前に外猫ハウスを作りました。以前捕獲器を設置したときは警戒して姿を見せなくなったことがあるブブちゃん。姿は見せてくれましたが、中には入ってくれませんでした。
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翌日もブブちゃんが現れたので外猫ハウスの中にごはんを置きます。誘導用に置いたごはんを食べた後、ハウスの中に頭を入れ、中のごはんを食べてくれました。3日後にはしっかり外猫ハウスに入ってくれたブブちゃん。かわいいお顔でごはんを食べる様子が確認できました。
外猫ハウスでごはんを食べてくれるようになったブブちゃんですが、ある日、左耳をケガした状態で現れました。思い当たるのは勝手口に現れるようになっていた野生のアライグマ。もしかしたらケンカによってできた傷かもしれません。
ブブちゃんもアライグマも一生懸命生きているだけでどちらも何も悪くない……ということで、投稿主さんがごはんを置くタイミングを見直したら、アライグマの姿を見かけることはなくなったということです。
カサブタが取れたことで痛々しい姿になっていたブブちゃん。獣医師さんに動画を見せてお薬を処方してもらい、ごはんの中に入れて飲ませました。
ブブちゃんが不定期にしかやってこないのは、他に本命の餌場があるということ。それもあって保護をためらっていた部分があったのですが、傷を見てそんな悠長なことは言っていられないと思い本格的に保護することを決意しました。
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自分が本命の餌場の人だったら、突然ブブちゃんが来なくなると心配になるはず……と考え、思い当たるお宅に聞き込みをして回りましたが、いろいろなお宅で目撃情報はあるものの、どのお宅も餌はあげていないとのこと。本命の餌場は探し出せませんでした。
抗生剤の投与が終わるころには少しだけ触らせてくれるようになったブブちゃん。毎日時間をかけて距離を縮めていきましたが、約1カ月後にパッタリ現れなくなりました。
2週間後、深夜の新聞配達中に隣の地区で様変わりしたブブちゃんを見つけました。見つけた場所はTNR済みの地区で、地域猫のオスが何匹か暮らしているところ。ちょうど繁殖期のピークだったため、メス猫を探すときに誰かとケンカしたと考えられます。この日、ブブちゃんが帰ってきても休めるように、ごはんとお水を用意して待っていましたが姿を見せませんでした。後に判明したケンカ相手はこのエリアのボス猫とのことです。
その2日後の早朝、再びブブちゃんに出会いました。この場所は自宅から2キロも離れている場所。ブブちゃんがこの場所にとどまっているのはまだメス猫探しを諦めていないから。まだケガも完治していないのに、またケンカを挑む気でいるのです。
その4日後、ブブちゃんが帰ってきてくれましたが、ボロボロの状態。体の傷もどんどん増えていきます。野良猫を保護することは人間のエゴだという人もいますが、人間だからこそ、この子たちを今より幸せにしてあげる術を持っていると考える投稿主さん。無理やりにでも保護したい気持ちを抑え、ブブちゃんと欠かさずコミュニケーションを取り続け、対面でのコミュニケーションも取れるようになりました(今までは扉を隔てて接していました)。
ブブちゃんは投稿主さんのそばでごはんを食べるようなり、タイミングを見計らえば、なでられるようになりました(それでもすぐに不審がられてしまいます)。そんなある日、ごはんを食べ終わってもその場所から離れなかったブブちゃん。家の中で暮らす猫ちゃんたちも見知った仲なので、威嚇しあうこともありません。
ブブちゃんを保護するのにいろいろな方法を試して失敗に終わって来ましたが、ようやくほぼ確実な方法を思い付きました。それはブブちゃんが唯一入ってくれた外猫ハウスを使うこと。「何で今までそんな簡単なことを思い付かなかったのだろう」と思いながら、ヒモの操作で扉が閉まるトラップを作りました。
トラップを仕掛けて9日目、ブブちゃんがやってきました。外猫ハウスに頭を入れてごはんを食べるブブちゃん。一度はハウスから出てしまいますが、再び中へ。尻尾がはみ出ていますが、トラップは重くないので大丈夫なはず。投稿主さんは心臓が飛び出しそうになりながら、ヒモを操作して扉を閉めます。
ここからは時間の勝負。ブブちゃんも必死になって暴れ回りますが、ハウスが壊れる前に何とか洗濯ネットに入れることが出来ました。その間は必死だったので撮影できてないとのこと。ブブちゃんが保護できて良かったです。
その後、ブブちゃんを動物病院に連れて行くことが出来ました。帰り道、大声で鳴き続けたブブちゃん。既視感があると思ったら5年前にデブちゃんを保護したときと一緒だったということです。
ブブちゃんの家猫としての暮らしは始まったばかり。今後の様子も発信していくとのことです。コメント欄には「まさか、こんなにそっくりなにゃんこが姿を見せるなんて」「私も生まれ変わりを信じます」「ブブちゃん無事保護できて良かった デブちゃんが導いてくれたんだね」「デブ君に似ていてふと、重なる時があって泣ける‥」といった声が寄せられています。
投稿主さんはYouTubeのメインチャンネル「僕の名前はデブ」、サブチャンネル「僕の名前はデブ2nd」を中心に、X(Twitter/@boku_debu)やInstagram(@boku_debu)でも猫ちゃんたちの情報を発信しています。
動画提供:YouTubeチャンネル「僕の名前はデブ」
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