「役柄って、少しキャラクターを誇張したものだったり、自然体に徹するものがあったりすると思うのです。自分で言うのもなんですが、僕は切り替えが早いほうで、それで起用されているのだと思います。
Samsungの『Galaxy S24シリーズ』のCMには成田凌さんと出演させていただきました。地毛でモヒカンにしたのですが、役にスッと入り込んで楽しんでいましたね」
そう語るのは、俳優・小倉史也(28)。
7月8日に株式会社エム・データが《2025年上半期TV-CM会社数ランキング》を発表した。1位・芦田愛菜(19社)、2位・川口春奈(18社)、3位・今田美桜(15社)、同3位・大谷翔平(15社)といったビッグネームが並ぶなか、小倉は10社のCMに出演して8位にランクイン!
ちなみに彼が出演したのは、前出のサムスン電子ジャパンのほか、日本たばこ産業、コスモ石油、ゆうちょ銀行、三菱地所、アマゾンジャパン、ウイングアーク1st、Uber Japan、カカクコム、ROXXだった。顔を見ればピン!とくる人も多いだろう。
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浜辺美波、長澤まさみ、広瀬すずなども10社に出演しており、小倉は“隠れCMキング”ともいうべき存在になっているのだ。
今回は、そんな小倉の芸歴と素顔についてインタビューすることに。小倉は子役出身で、すでに芸歴24年だという。
「兄も一時期、子役として活動していたんです。兄のオーディションによくついて行ったのですが、幼いなりに現場でも静かにしていたようで、親が『芸能界に入れてもいいんじゃないか』と考えて、きっかけをくれたという感じです」
デビューは、4歳のときに出演した’01年放送の『月曜ミステリー劇場 弁護士 朝吹里矢子−贈る証言−』(TBS系)。’08年から’09年にかけて公開された『本格科学冒険映画 20世紀少年』では、香川照之が演じたヨシツネの幼少期役も務めた。
「撮影現場は楽しくて、苦労もあまり感じたことはありません。学校より現場のほうが楽しかったですね。ただ大学時代はダンスやアルバイトで忙しくて、俳優としての仕事から離れていた時期も少しありました」
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■3年前、父が亡くなった日にもオーディションを
CM出演は、基本的にオーディションを受けているという。
「コンテをいただいて、実際に演じてみるというケースが多いです。CMですとけっして長い時間ではありませんから、“求められている役”を超えてみせるという意識をもって臨んでいます」
大学時代に培ったダンススキルを活かすことができたのが、’22年に出演したNIKEのCM『Welcome to Nike Juku』だった。
「いまのようにCMのお仕事が決まるようになったのは、NIKEさんのオーディションに受かったことがきっかけになったように思います。実はオーディションを受けた日に、闘病していた父が亡くなって……。それ以来、お仕事がどんどん決まるようになりました。仕事に対しては私自身もより気を引き締めるようになったのですが、父からのプレゼントだと思っています。
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俳優の仕事は母も応援してくれます。親戚同士も仲が良くて、LINEで『親戚の会』というグループもあるんです。母に出演情報を伝えると、母が叔母に連絡し、叔母が親せきに連絡し……というように親戚みんなが応援してくれているので本当にうれしいです」
CM10社に出演しているだけに、かなり顔も売れてきているように思えるが……。
「いや、街で声をかけられるとか、本当にないんですよ(笑)。ふだんの僕は、メガネをかけて髪型はセンターパートなんですが、CMでのキャラとも違うので、気づかれることはないです」
三菱地所のCMでは、高畑充希に“白髪頭と白髪の髭のおじいちゃん”にされたりなど、さまざまな役になりきっている小倉。目標としているのは、やはり“カメレオン俳優”として知られている滝藤賢一だという。
「もちろんお芝居もすごいのですが、ファッションが好きだったり、植物が好きだったりと、共通点があることに気がついて、目標とさせていただいています。
滝藤さんのファッション写真集を見ると、ご家族もご友人も大切にしていて、本当に愛がある人だと感じます。僕も結婚して、子供ができたときに見習いたいと思って、憧れているんです。
一度、株式会社ラクスさんの『楽楽精算』のCMでごいっしょできました。居酒屋で滝藤さんと横澤夏子さんのお話を聞いている若手社員の役です。実は現場に写真集を持ち込んで、サインもしていただきました(笑)」
カメレオン俳優を目指しているだけではなく、自宅では爬虫類を飼っているという。
「プライベートでは、自宅で爬虫類をずっと愛でている感じです。実家にはいまも犬が8匹もいて、子供のころから動物好きでした。
いま僕が飼っているのは、ヒョウモントカゲモドキ(※ヤモリ)、サバンナモニター(※トカゲ)、アオジタトカゲなどです。エサは冷凍のコオロギとか人工飼料などを。寒さに弱いので、ちょっと電気代はかかりますね。外出中もスマホで室温などをチェックしています」
今後演じたいのは、医者などの医療従事者だという。
「父の闘病中、病院に行く機会も多くて、常に命の問題に直面している医療従事者の方たちに、自分なりの思いがあるのです。
僕自身が父の死を乗り越えるという意味もあるかもしれません。命に真剣に向き合う医師という役柄はぜひ挑戦してみたいです」
日本中が「俳優・小倉史也」の名前を知る日は近いかもしれない。
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