新たに台風のたまご発生か 南の海上は台風や台風のたまごが発生しやすい 動向に注意

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2025年07月20日 15:19  日本気象協会

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日本気象協会

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今年は台風1号の発生が9年ぶりに6月以降にずれ込みましたが、ここ1か月で6個の台風が発生し平年並みに追いついてきました。現在、南の海上は海面水温が高く、台風や台風のたまごが発生しやすく、フィリピンの東海上では新たに熱帯低気圧(台風のたまご)が発生する予想です。今後の動向に注意が必要です。

ここ1か月で6個の台風が発生 ほぼ平年並みに

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今年は台風1号の発生が6月11日と、9年ぶりに6月以降にずれ込み、統計開始以来5番目の遅さとなりました。

ただ、台風1号が発生した後はグッと増え、6月に2個、7月に4個と、ここ1か月で6個の台風が発生。その内、台風5号は今年はじめて北海道襟裳岬に上陸しました。平年7月上旬までに台風は5個くらい発生するので、ほぼ平年並みに追いついてきました。

台風6号はベトナム方面へ(日本に直接的な影響なし)

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現在、南シナ海にある台風6号はこのあとも西進し、23日(水)までにラオス付近で熱帯低気圧に変わる見込みです。日本への直接的な影響はありませんが、沖縄の先島諸島は21日(月:海の日)にかけて強風や高波にご注意下さい。

新たに熱帯低気圧(台風のたまご)発生予想

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衛星画像をみると、本州付近は夏の高気圧に覆われ雲のない晴れエリアに入っていますが、南シナ海の台風6号から連なる活発な積乱雲がフィリピンの東にかけて広がっています。

21日21時の予想天気図では、フィリピンの東に熱帯低気圧(台風のたまご)が発生する見込みです。日本や海外の気象予測モデルでは、台風や熱帯低気圧が近づくと予想するものもあります。まだ、予測には幅がありますが、今後も最新の気象情報や台風情報にご注意下さい。

7月以降に台風が続々発生した2024年や2016年に似ている?

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今年は台風1号の発生が6月11日と遅くなりましたが、過去の統計をみると、台風1号の発生が遅くても、年間の発生数は平年並みか平年以上に多くなる事が多いため注意が必要です。

昨年2024年も、台風1号の発生は5月25日と、統計史上8番目の遅さで、5月〜7月までに発生した台風は4個でしたが、8月にはいると立て続けに発生し、8月だけで6個発生、9月は8個発生し、蓋を開けてみたら年間の発生数は26個(平年約25個)と平年並みとなりました。

また、2016年は台風1号の発生が7月3日と、統計開始以来2番目の遅さでしたが、7月は4個、8月には7個の台風が発生し、その内、17日に第7号、21日に第11号、23日には第9号と1週間程度の間に3つの台風が北海道に上陸しました。1年で3つの台風が北海道に上陸したのは、統計を開始した1951年以来、初めての事です。9月も台風発生数は7個と多く、年間の発生数は26個となりました。

2024年と2016年の共通点は、「モンスーンジャイア」が発生した事。
日本の南海上では、インド洋東部から吹き込む西〜南西の風(季節風:モンスーン)が吹き込み、一方、太平洋高気圧から吹き出す東よりの風が合流し、反時計回りの循環ができつつあります。この循環がさらに規模を拡大し大きな低圧部(モンスーントラフ)となると、反時計回りに吹く大規模な風の循環(季節風の渦)が作られます。これをモンスーンジャイアといいます。

モンスーンジャイア中では上昇気流が多発し、熱帯低気圧や台風が発生しやすくなることが知られています。

今年も、2024年や2016年と同じように、南の海上は台風や台風のたまごが発生しやすい状況となっているため注視が必要です。

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