
7月15日から始まったバドミントンのダイハツジャパンオープン2025、2日目の女子シングルス2回戦。世界ランキング6位(7月15日付)の宮崎知花(ACT SAIKYO)が、同11位のプトゥリ・クスマ・ワルダニ(インドネシア)にストレート負けを喫した。
試合後、宮崎は悔しさをにじませながらこう語った。
「出だしも硬かったり、最後までいい流れがつかめずに終わってしまいました」
昨年のジャパンオープンは初出場で当時世界ランキング9位のハン・ユエ(中国・現在4位)に1回戦でストレート負け。今回は「日本開催だからこそ勝ちたい」という強い思いで臨んだが、その気持ちが逆に緊張を生んでしまった。
「今日勝って、明日も試合をしたいという思いがあって、(その影響からか)余計にスマッシュも決まらなかったり、いいスピードで試合ができなかった」
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こう話す宮崎は、前日の1回戦では世界ランキング28位のカースティ・ギルモア(スコットランド)と対戦。第1ゲームは5−5から抜け出して点差を広げ、21−15で取ると、第2ゲームは中盤から競り合う展開になったが21−18で勝利。
「今日はリードされた場面でもしっかり我慢ができた」と手応えを口にしていた。
だが、2回戦の相手となったワルダニは、世界ランキングを昨年の20位台から今年11位に上げてきた選手。「今まで2試合対戦しましたが、難しいところは多くあった」と宮崎が話すように、昨年9月の香港オープンとマカオオープンでの対戦はともにファイナルゲームまでもつれ込み、1勝1敗という結果だった。
【悪い部分はあったが......】
そして3戦目の今回、優勝への意識が大きく影響した。
「相手が自分のよさを消すような対策をしてきているのは分かっていたのに、そこで相手がやりやすいような球を出してしまったことは反省しなければいけないと思います。気持ち的にも『(日本開催の)この大会で優勝したい。今日は勝ちたい』という思いがありすぎて、プレー面や内容で悪い部分が多くなってしまったのかもしれないです」
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ワルダニはフットワークのいい柔らかなプレーをしながらも、角度のあるスマッシュやキレのあるカットで前後左右に球を散らしてくるプレースタイル。
「手足が長くてカウンターも狙ってくる選手だったので、そこも意識しつつ、自分もカウンターを打てるようにしていきたいと思っていましたが、相手も私の足を止めるように前に落としてくる球が多かった。自分の動きがあまりよくなかったというのもあり、いつもより下の方で球を取る場面が多くなって、スピードを上げられず、対応しきれませんでした」
この試合では、2ゲームとも中盤に連続失点してリードを広げられ、追いつけないまま敗退となった。
それでも、第2ゲームの中盤から大きくリードされた場面でも、長いラリーに持ち込み、活路を見出そうする姿勢も見せて粘った。
試合後、宮崎は前を向いていた。
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「悪い部分は多かったかもしれないですが、強い気持ちで臨めたかなと思います」
【現在の世界ランキングは6位】
宮崎は、昨年の9月からは中国オープン2位のほか、5大会で3位。その勢いで年末の全日本総合選手権では、山口以来10年ぶりとなる高校生としての初制覇を果たし、一躍注目されるようになった。
世界ランキングも昨年の年始めの39位から、年末には12位まで急上昇。そして今年、1月のインドオープンで3位になった第3週からひと桁台に乗せると、5月の台北オープン優勝やタイオープン3位のほか、ベスト8進出3回と安定した成績を残し、6月の第2週からは過去最高の6位にまで上げている。
宮崎にとって、5月末のシンガポールオープンからの3戦連続ベスト16止まりの結果とともに、今回ワルダニにストレートで負けたことは、彼女の悔しさを掻き立てる大きな要因になったはずだ。
宮崎は今後、初出場となる8月25日からの世界選手権(フランス・パリ)に向けて、大きな大会としては最後になる中国オープンに7月22日から臨む。この大会は昨年、準決勝で山口を撃破して2位になった大会だ。
「これからしっかり練習をして、去年を超えられるように頑張りたい」と話した彼女が、今回の悔しさをどう晴らし、世界選手権に向けてどこまで気持ちを盛り上げられるか注目したい。