<県中学陸上競技大会>◇最終日◇20日◇柏崎市陸上競技場
陸上を始めて2年半の“新星”三条二の桜田晃良(3年)が、男子短距離走2冠を獲得した。200メートル決勝は21秒68をマーク。北信越中学記録、県中学記録、大会記録を塗り替えた。19日の100メートルは10秒85(追い風参考)も制していた。女子走り高跳び決勝は、昨年、全国の中1歴代最高記録を塗り替えた三条一の南雲愛(2年)が1メートル63を成功し、2連覇を達成した。
◇ ◇ ◇
この日一番の歓声と、どよめきが起こった。桜田が男子200メートルを先頭でゴールし、会場に記録を告げるアナウンスが流れた瞬間。決勝進出者8人中5位までが全中参加標準記録を突破したハイレベルな争いを、21秒68で駆け抜けた。「いいスタートが切れた。まだまだ短い陸上人生だけど、過去イチでいいレースができた。記録が出て、ついビックリしちゃった」。全身で全中初出場を喜んだ。
ほぼ、ぶっつけ本番だった。6月の地区大会でゴール後に転倒して右手親指を骨折。全治約7週間と診断されて満足に練習を積めなかった。今も完治しておらず、患部をテーピングでグルグル巻きにしての強行出場。そんな状態でも好パフォーマンスで「北信越新」「県新」「大会新」を出した。「カーブから直線に入るまでが練習以上にうまくいった。楽しかった」。100メートルとの個人2冠も達成し「たくさんの方のサポートで、ここに立てた。自分ひとりの力じゃない」と感謝した。
|
|
出身の一ノ木戸小では水泳と、趣味でバスケットボールを楽しんだ。三条二中ではバスケ部に入部予定だったが「先輩に誘われて」陸上部に入り、短距離を始めた。一方で当初は出場するレースで負けが続き、中学2年の冬にやめたくなった時期もあった。それでも「前の顧問の先生が、冬季に強くなって『来年お前が魅せるんだ』と言ってくださった」。持ち味のスタートと後半の伸びを生むスプリント力に磨きをかけ、才能を開花させた。
次の北信越大会は200メートルで出場し、初出場する沖縄開催の「全中」はメインで取り組む400メートルにエントリーする予定だ。「自己ベストを出し、日本一になりたい」と心を躍らせた。【小林忠】
◆桜田晃良(さくらだ・あきら)2010年(平22)4月28日生まれ、新潟県出身。一ノ木戸小時代は水泳に打ち込む。三条二中で陸上部に入部し、得意の400メートルと200メートル、100メートルの短距離走で活躍。今月4、5日の新潟県中学通信は男子400メートルを49秒54で制した。173センチ、58キロ。足のサイズは25・5センチ。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。