体力・気力の衰えによる「めんどくさいを克服」頑張らなくてもすぐやれる“思考術”のヒント

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2025年07月21日 08:10  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

※写真はイメージです

 家事、仕事、介護など「すべき」ことが多くて、ぐったりしている人も多い週女世代。暑さでやる気も減退し、やることが山ほどあるのに何もかもめんどくさい!

後回しグセは目標の“小分け”で解決!

「めんどくさがりの“後回し体質”の人は、まじめで完璧主義の人がとても多いです。考え方を少し変えるだけで、物事にすぐ取り組める人になって、日々のストレスも軽減しますよ」

 そう話すのは、独自の“すぐやる思考法”を用いて企業などの人材育成に携わる鈴木進介さん。すぐにできない人の共通点は、“目標や課題を大きく捉えすぎる”、“一歩目のハードルを高くしすぎる”ことだと指摘する。

「例えば、家の掃除。後回しにする人ほど“今日は気になるところを全部キレイにしよう”と意気込みがち。でも目の前にある山が大きくなればなるほど、登るのがおっくうになるのは当たり前です」(鈴木さん、以下同)

 では、どうすれば“すぐやる人”になれるのか。まず、前提として大事なのは“やる気に頼るのをやめる”だ。

やる気さえ起きれば……と思いがちですが、それは間違い。脳科学の研究によると、“やる気は行動して初めて生まれるもの”だとわかっています。必要なのは、やる気を起こそうとすることではなく、頑張らなくても始められる小さな一歩を用意することです

 そのために、鈴木さんは3つのポイントを挙げる。

「1つ目は、やりたいことや目標を“小分けにして見える化する”こと。先ほどの掃除を例にすると、今日は台所だけ、拭き掃除だけなど優先順位をつけて、何日かに分けて取り組めるように目標を小分けにし、スマホや手帳などなんでもいいので見えるように書き出して棚卸しすること。

 2つ目は、とっかかりとなる“一歩目をできる限り小さくする”ことです。今日は賞味期限切れのものを捨てるだけ、など本当に小さな一歩目でOK。ゼロより前進することに価値があります」

気持ちよく動ける環境づくりも大事

 しかし、ハードルを下げてもめんどうになり、継続できないことも。3つ目は、それを打破するために“自分を楽しく動かす工夫をすること”。

「チェックリストを作って埋めていくのを楽しんだり、ちょっとしたご褒美を設けたり。動き始めるための仕掛けを作っておくのが重要です」

 スマホのリマインダー機能を活用する、自然な会話形式でどんな質問にも答えてくれるAIのチャットアプリ「ChatGPT」にリストを作ってもらうなど、最新のモノに後押ししてもらうのも手だ。

また、“この年でダイエットを始めるなんて無理だろう”と、年齢バイアスで諦めてしまうことも、やりたいことを始めるときの足かせに。人の目や年齢を気にせず、ちょっとずつでも前進できる環境を整えることで、めんどくさいを克服できますよ」

頑張らなくてもすぐやれる思考術のヒント

 日常にありがちな“つい後回し”や“めんどうで続かない”というお悩みも思考の整理や変換、ちょっとした工夫で一気に解決!

Q.ダイエットしたいのに、やせたいと思うだけで何も続かない……

A.ベイビーステップが重要!ハードルを下げると続きやすい

「立派な目標を設定すると、完遂までが遠すぎて続きません。“ベイビーステップ”という心理学的思考を取り入れましょう。つまり赤ちゃんでもできるくらいの行動をゴールにし、ハードルを下げるのです」(鈴木さん、以下同)

 最初からやり通さなければならないと気負う必要もなし。

「まずは“3日間だけ”というような気軽さで始めてもいいと思います。人間には一度始めると“ここでやめたらもったいない”というサンクコスト効果も働くので、まずは取りかかると波に乗れるはず」

Q.健康のためのウォーキング、数日間はやっても長くは続かないです

A.プライミング効果でやる気スイッチをオン!

「続けられない原因には、同じことを行うのがつらいのと同時に“飽き”が生じていることが考えられます」

 その場合は、“刺激”を加えることが有効。

「靴などの使う道具を新調するのもおすすめです。プライミング効果といって、“いつもと違う”ことが無意識のうちに思考や行動に影響し、新鮮な気持ちで取り組めるようになります」

Q.家事を後回しにしてつい、スマホで動画をダラダラ見ちゃう〜

A.ジャーナリングするとダラダラ回避に!時間割を作っても

 “ジャーナリング”は、頭に浮かんだ考えや感情を紙に書き出す心理療法の一つ。

「書く瞑想ともいわれており、やらなければいけないことや感じたことを書き出すことでスッキリします。おすすめは、それをChatGPTに書き出して時間割を作ってもらうこと。

 そうすると、自分が抱えているタスクを効率よくやる流れを考えてくれて、ダラダラから抜け出せますよ」

Q.そろそろ親の介護に備えなきゃ何からしたらよいかわからず、つい先送り……

A.「今日・今週・今月」と分類すると負担が軽くなり手をつけやすくなります

「タスクが多すぎて迷走しそうになったら、最初にやるべきことをリストアップし“見える化”する。次に、どれを優先的に行うか考えて“分類”を。“今日・今週・今月”といった期限別にするのが簡単です。今すべきことがわかるので、頭がすっきりして動き出しやすくなります」

 また、介護など大きな課題と対峙するときは自分一人で抱え込もうとしないこと。

「きょうだいや親戚、介護サービスのプロなど、人を巻き込むことも大事です」

Q.8月には義実家に帰省。義両親がちょっと苦手でいろいろと手配をするのもイヤ〜な気分に

A.リフレーミング効果を利用して嫌な人はレアキャラと思う。ご褒美を設定しても!

「まず“苦手な人に会う”ということを“レアキャラに会える”という楽しげなイベントにリフレーミング(意味づけの転換)してみましょう。それでもマイナスの感情が残るなら、これは私に与えられた任務!と思って割り切るのもあり。

 業務ですから手土産に悩む必要なし。毎回同じ無難な商品でいいし、ChatGPTに流行のものを提案してもらってもいいと思います」

 ミッションを遂行した後には、自分へのちょっとしたご褒美を用意しておくことで、気持ちも軽くなる。

教えてくれたのは……鈴木進介さん●難しい問題を解決に結びつける独自の“思考の整理術”を体系化。人材育成トレーナーやコンサルタントとして活動し、起業家から上場企業まで幅広く支持される。『すぐやる人の頭の使い方』(日本実業出版社)など著書多数。

取材・文/河端直子

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  • 紙に書きだすことをジャーナリングっていうんだ・・わかった
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