今週デビュー予定のクールドリオン(撮影:井内利彰) 先週の小倉芝1800mの新馬戦を圧巻のレースぶりで勝ったベレシート(栗東・斉藤崇史厩舎)。CWでの最終追い切りもさほど速い全体時計にはならず、それが影響していたのか、単勝は2番人気。追い切りについては強気なコメントを出していない斉藤崇史調教師だったが「馬はいい」と評価の高さは変わっていなかった。
これから上のクラスで戦うには課題もあるレースぶりではあったが、追い切り内容も良化の余地しかない状況での勝利。とにかく勝ったことが重要だし、今後のローテーションが本当に楽しみだ。また、ここで掲示板に載った馬たちも次走以降、要注目となるだろう。
【7月26日(土) 中京芝1400m】
◆レッドレベンディス(牡、父クリソベリル、母レッドシャーロット、栗東・庄野靖志厩舎)
母系には芝で4勝を挙げ、テンハッピーローズが勝った2024年ヴィクトリアマイルでは5着というGI実績もあるルージュリナージュ(父スピルバーグ)がいる血統。
CWでの1週前追い切りは、下記で紹介しているクールドリオンに先行。あっさりと追い抜かれたが、こちらはマルーンドライブと併せることを重視しただけで遅れた感は一切ない。むしろゴール前の手応えも余裕があり、ラスト2Fが11.3秒、11.3秒なら十分動いているといってよいだろう。クリソベリル産駒がこの条件でどんな走りを見せるかという意味でも楽しみだ。
【7月26日(土) 新潟芝1600m(牝)】
◆ビアリッツ(牝、父ダノンスマッシュ、母コートダルジャン、栗東・北出成人厩舎)
ダノンスマッシュ産駒は先週の小倉芝1200mでナムラドロン(栗東・鈴木孝志厩舎)が新馬勝ち。母コートダルジャンは現役時代に8月の小倉芝2000mの新馬戦を勝っており、血統的には初戦向きかも知れない。
1週前追い切りはCWで亀田温心騎手が跨っての併せ馬。古馬2勝クラスを追走して同入だったが、6F85.3秒、3F38.4秒、1F11.9秒と時計は目立たなかった。「前半が遅くなったので、時計は出ませんでしたね」と北出成人調教師。ただ、素質の高さは評価している師。実戦での走りに注目したい。
【7月26日(土) 新潟芝1400m】
◆アパレイユ(牝、父ヴァンゴッホ、母トンボイ、栗東・西園翔太厩舎)
母トンボイは現役時代に西園翔太調教師の父である西園正都調教師が管理し、阪神芝1200mの新馬戦を勝ったスピード馬。ヴァンゴッホ産駒は先週の福島芝2000mでオブラプリーマ(美浦・上原佑紀厩舎)が新馬勝ちを決めている。
本馬は7月10日の坂路追い切りで4F51.2秒、2F24.7秒、1F12.3秒の時計をマーク。7月17日の坂路でも4F52.0秒、2F24.4秒、12.2秒をマークしており、スピードがあるところを見せている。週末はCWで左回りの追い切りも消化しており、初戦から万全の態勢を整えている。鞍上は菊沢一樹騎手が予定されている。
【7月27日(日) 中京芝2000m】
◆クールドリオン(牡、父スワーヴリチャード、母アポロフィオリーナ、栗東・庄野靖志厩舎)
父スワーヴリチャードを現役時代に管理した庄野靖志調教師。「少し大げさな言い方になってしまいますが、今までたくさんのスワーヴリチャード産駒を管理させていただいて、走りはもちろんですが、普段の仕草なども含めて、この馬が一番スワーヴリチャードに似ているなと感じます」とコメントする期待馬。
栗東での調教に関しては、7月9日に坂路で4F51.0秒、2F24.3秒、1F12.1秒の時計をマークした時点で注目を集めていたが、より魅せた追い切りが7月17日。レースでも騎乗を予定している坂井瑠星騎手が跨り、CWでの3頭併せ。かなり後ろから追走して前2頭を並ぶ間もなく交わしていって最先着。6F83.0秒は水準程度の時計だが、ラスト2F11.2秒、11.0秒はポテンシャルの高さを示すラップ。どんなレースを見せてくれるか楽しみだ。
(取材・文:井内利彰)