
仕事を頑張るあまり、いつの間にか大切なことを見失ってしまう。そんな経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。漫画家・吉谷光平さんの人気漫画『今どきの若いモンは』の中に登場する一編『成績が全てだと思っている営業マンが失敗する話』がX(旧Twitter)で投稿され、大きな話題となっています。
【漫画】『成績が全てだと思っている営業マンが失敗する話』(全編を読む)
物語の主人公は、28歳で意気揚々と本社に転職してきた営業マンのユウジ。入社早々「自分が来たからには、成績を2倍、3倍にしてみせる」と自信満々に宣言し、周囲の注目を集めます。上司である課長の石沢から、同じチームとなる上島を紹介されたものの、上島の営業成績が最下位だと知ると、上島の言葉を聞く耳も持たずに営業へ出かけるのでした。
営業という仕事が好きだったユウジにとって残業も接待も苦ではなく、ひたすら仕事に打ち込み、見事に結果を残していきます。やがてユウジはチーム内でも頭ひとつ抜けた存在となり、気づけば1年で成績トップに。最初は「上島さん」と呼んでいた同僚の名前も、次第に「上島くん」と呼ぶようになり、ますます傲慢な態度を強めていきます。
そんなユウジの変化に見かねた石沢はユウジを呼び出し、後輩や他部署のサポートがあってこその営業成績だと諭します。しかしユウジはそんな石沢の言葉も聞き入れようとせず、「成績を抜かれたことによる焦り」と受け流したのでした。ところがそんなある日、取引先が倒産したという事実を突きつけられます。
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成績を追うばかりに大切なものを見失っていくサラリーマンの姿を描いた同作について、作者の吉谷光平さんに話を聞きました。
仕事を頑張っていれば誰しも陥る可能性のある
ー同作の中で、特に意識された演出や表現のポイントがあれば教えてください。
ユウジは、自分が絶対に正しいと思って行動している点を意識して描きました。
ーご自身の経験や周囲の観察がもとになっている描写はありますか?
何人かモデルがいて足して作っている感じです。成績だけが全てと思っていて暴言を言ってしまう人、それで見放される人、そういう過去があって今は優しくなっている人など、本当にいろんな人をモデルにしていますね。
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ー台詞や言葉の選び方において、特にこだわった点があればお聞かせください。
ユウジは一見「悪いやつ」に見えますが、仕事に一生懸命すぎて他は何も見えなくなっている。という点を意識して描きました。仕事を頑張っていれば誰しも陥る可能性のあることだと思っています。取引先の破産という衝撃的なニュースを聞き、ユウジはこの後どうなっていくのか。続きはサイコミですぐ読むことができるので、そちらもぜひチェックしてください。
(海川 まこと/漫画収集家)
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