<巨人6−5阪神>◇21日◇東京ドーム
負けても強し! 阪神は巨人との前半最終戦で5度目のサヨナラ負けを喫し、17年ぶり3度目の貯金20ターンはならなかった。小幡の2発と大山の1発が出た5−0から大逆転負けを喫したが、阪神藤川球児監督(44)は「こういうゲームもある」と淡々。セ界独占の貯金18、2位DeNAに9・5差をつけての折り返しを評価し、「選手たちが立派にやってくれている」と奮闘をたたえた。独走優勝へ慢心なく、勝負の後半戦に向かう。
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虎の3連勝締めかと思われた前半戦ラストゲームで、逆転サヨナラ負けを喫した。それでも藤川監督は「こういうゲームになることもあるし、お互いにギリギリの勝負をしてるところですから」と落ち着いた表情で振り返った。
小幡の2発と大山の1発で5−0としたが、7回に暗転した。無失点投球を続けてきた先発伊藤将が先頭から3連打を浴びると、大山の失策もあり2点を失って降板。なおも1死一、三塁で救援した2番手ネルソンが、リチャードに痛恨の同点3ランを浴びた。そして9回。この日中継ぎで再登録された伊原が2死満塁とされ、吉川にサヨナラ打を中前に運ばれた。
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4点差以上の逆転負けは今季初めてで、巨人に5点差をひっくり返されるのは35年ぶり。それでも試合後、指揮官はナインやコーチ、スタッフを集めて前半戦の戦いをねぎらった。
「いま全員を集めて。前半本当に素晴らしい戦いだったと思うし。オールスター出る選手は休むことができないけど、ファンの方に素晴らしいプレーを見せてほしいし、少し休める選手、スタッフの方はちょっと家族とゆっくりしてまた後半やってもらえればと」
6月下旬から2年ぶりの11連勝を決めるなど、セ界を独占する貯金は18、2位DeNAに9・5差をつけた首位独走で折り返せる。ナインに感謝すれど、ボヤく材料が見当たらない。「10試合して、1試合こういうゲームがあっても、他の7、8、9、いいゲームができれば。それがペナントレースですからね」。
前半戦総括では手応えも口にした。「順調かなというところ。日々のゲームを戦いながら、チームが少しずつ、全体としてつくり上げられてきている手応えは感じています」。12球団断トツのチーム防御率は驚異の1・99で、打撃部門もほぼ総ナメ状態だ。佐藤輝が25本塁打&64打点の2冠、近本は109安打&23盗塁ともにトップ。森下も佐藤輝に次ぐ2位の60打点を挙げ、打率も近本が3位の2割9分2厘2毛、中野も4位の2割9分2厘1毛と好調だ。指揮官も「選手たちが立派にやってくれている」と原動力に目を細める。
後半戦もチャレンジャーの気持ちは変わらない。「1歩1歩ですね、負けるたびに強くなるチャンスですし、勝つたびに冷静にならなければいけないと思って、チームを進めていますから。丁寧に、本当に人生と同じかもしれない」。ゴールテープを切るまで、全力で走り抜く。【磯綾乃】
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