【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい!血統表でよく見る名馬
【バゴ】
ヌレイエフ、ミエスク、キングマンボ、マキャヴェリアンなど、20世紀後半に宝石のような名馬群を生み出したニアルコスファミリーの生産馬。凱旋門賞、パリ大賞、ガネー賞など5つのGIを制覇し、カルティエ賞最優秀3歳牡馬に選出されました。
日本で種牡馬となり、クロノジェネシス(有馬記念、宝塚記念2回、秋華賞)、ビッグウィーク(菊花賞)、ステラヴェローチェ(神戸新聞杯、サウジアラビアRC)、トロワボヌール(クイーン賞2回、スパーキングレディーC)など多くの重賞勝ち馬を誕生させました。
2代母は仏2歳牝馬チャンピオンのクードジェニー、その全兄に名種牡馬マキャヴェリアン、牝系をさかのぼるとノーザンダンサーの母ナタルマに到達するという名門牝系に属しています。父ナシュワンはディープインパクトと同じ牝系から誕生した英二冠馬。バゴはそのスタミナを受け継いでおり、基本的には2000m以上を得意としています。スピード勝負や決め手比べに弱みがあるものの、タフな条件で発揮される底力は非凡です。
アベレージの高い種牡馬ではありませんが、ノーザンファーム生産馬の成績は素晴らしく、クロノジェネシス、ステラヴェローチェ、トータルクラリティ、ブラックバゴなど出走12頭中8頭が勝ち上がり、3頭が重賞を勝っています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「セレクトセールの歴代落札価格ベストテンの競走成績は?」
歴代1位のディナシーから10位タイの2頭まで、計11頭のうち出走を果たしたのは5頭。不出走が1頭、未デビューの馬が5頭です。
デビューを果たした5頭の価格は以下のとおり。
3位アドマイヤビルゴ(5億8000万)
6位ショウナンアデイブ(5億1000万)
8位ザサンデーフサイチ(4億9000万)
9位リアド(4億7000万)
10位ダノンエアズロック(4億5000万)
アドマイヤビルゴは京都新聞杯4着。ショウナンアデイブは小倉大賞典2着。ザサンデーフサイチは準オープン馬。リアドは毎日杯5着。ダノンエアズロックはプリンシパルSの勝ち馬。
現時点で重賞を勝った馬はいないものの、箸にも棒にも掛からないような馬はなく、いずれも準オープン以上には出世しています。5頭中4頭は重賞入着またはオープン勝ちの実績があります。