SMBC日興証券を巡る相場操縦事件で、金融商品取引法違反(相場操縦)に問われた同社元副社長の佐藤俊弘被告(63)に対し、東京地裁は22日、懲役2年6月、執行猶予5年の有罪判決(求刑・懲役2年6月)を言い渡した。部下との共謀を否定して無罪を主張したが、江口和伸裁判長は共謀の成立を認めた。
他の元幹部4人も全員有罪とした。多くの相場操縦に関与したエクイティ部の元部長、山田誠被告(48)が懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役4年)と最も重かった。元専務執行役員のヒル・トレボー・アロン(54)▽営業部門の元部長、岡崎真一郎(59)▽エクイティ本部の元副本部長、アバキャンツ・アレクサンドル(47)――の3被告は、相場操縦した株の銘柄数や役割に応じて懲役2年6月〜同1年6月(執行猶予5〜3年)とした。
判決によると、元部長は2019年12月〜21年4月、証券取引所の立会取引時間外に大株主から株を買い取って売却先を募る「ブロックオファー取引」で扱っていた10銘柄について大量の買い注文を入れて買い支えた。元副社長はうち1銘柄で、元部長と共謀するなど他の幹部も取引に関与したと認定された。
ブロックオファー取引は、大株主から市場価格よりも安く買い取った株を市場価格に近い金額で投資家に売り、差額が証券会社の利益となる。
検察側は公判で、元副社長らが値下がりでブロックオファー取引が不成立となることを避けるため、株価を安定させる目的で大量の買い注文を入れたと主張。弁護側は株価上昇を期待して買い付けただけで、相場操縦には当たらないと反論していた。
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東京地裁は23年2月、起訴内容を認めた元執行役員(60)に懲役1年6月、執行猶予3年、法人に罰金7億円、追徴金約44億7000万円の有罪判決を言い渡し、確定している。【安達恒太郎】
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