任天堂は7月18日、「Nintendo Switch」および新型モデルの「Nintendo Switch 2」に関して、持ち運び時の紛失や盗難に注意するよう呼びかけた。Switchシリーズ本体には、スマートフォンのような「位置検索機能」や「使用者を特定する機能」、あるいは「遠隔ロック」などのセキュリティ機能が搭載されていない。このため、一度手元から離れてしまえば、本体の現在地を特定する手段は基本的に存在しない。
とりわけ外出先や旅行先でゲームを楽しむユーザーが多い夏休みシーズンにおいては、紛失のリスクが高まることから、任天堂が改めて注意を促した形だ。
●紛失時にまずやるべきこと
万が一Switch/Switch 2本体を紛失した場合、すぐに取るべき対応がいくつかある。最も重要なのは、ニンテンドーアカウントの保護と、ソフトの不正使用防止措置だ。
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まず、ニンテンドーアカウントのパスワードを速やかに変更する必要がある。Switch本体にはアカウント情報が保存されているため、悪意ある第三者が本体を起動すれば、アカウントに登録されたクレジットカード情報や残高を使われる危険性がある。被害を防ぐためには、Webブラウザなどからすぐにパスワードを変更し、アカウントへの不正ログインを遮断することが不可欠だ。
次に行うべきは、「特定ソフトの利用券を共用できる本体」に設定されている場合の解除処理である。この設定が有効なままだと、別のSwitch本体で購入済みソフトを使うことができないケースがある。これについても、ニンテンドーアカウントの管理ページにアクセスし、「利用券」の設定項目から解除を行える。
さらに、ダウンロードソフト(いわゆる「バーチャルゲームカード」)の使用を制限する処理も行っておきたい。設定上、「バーチャルゲームカードが利用できる本体」を指定している場合は、これを無効化しておかないと、紛失した本体側で引き続きダウンロードソフトが利用できてしまうからだ。こちらも、パソコンやスマートフォンなどからの手続きで対応可能となっている。
●SwitchにAirTagは有効か?
Switch/Switch 2本体にはGPSや通信機能がないため、スマートフォンのように「端末を探す」機能は存在しない。そのため、ユーザー側で代替的な位置追跡手段を講じるしかない。そうした中で注目されるのが、Appleの「AirTag」だ。
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AirTagは財布や鍵、バッグなどに取り付けておくことで、地図上で位置を確認したり、音を鳴らしたりして探せる製品だ。とくにiPhone 11以降のモデルであれば、超広帯域無線技術(UWB)を活用し、対象物までの距離と方向を「矢印と数値」で視覚的に案内してくれる「正確な場所を見つける」機能が使える。
Switch/Switch 2本体には、AirTagを直接貼り付けるための機構やスペースはないものの、収納ケースに忍ばせることで、紛失時に位置情報を確認できる可能性はある。ただし、AirTagの位置検出には近くを通る他人のiPhoneなどによる「中継」が必要なため、屋外や人通りの少ない場所での追跡には限界がある。さらに、AirTagの弱点として、バッテリーを簡単に取り外されてしまう点がある。もし紛失した本体が第三者の手に渡り、意図的にAirTagの電池を抜かれてしまえば、位置情報の確認は不可能になる。
このため、AirTagを併用することは一定の効果が期待できるものの、過信は禁物だ。あくまで「あると多少安心」という補助的な役割であり、根本的な紛失防止策にはならない。
●日常からの対策が重要
Switch/Switch 2の紛失リスクは決して軽視できない。Switch/Switch 2を日常的に使う人の中には、「外へ持ち出すことが当たり前」になっている人もいるだろう。外出先での取り扱いには十分注意したい。
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また、任天堂はユーザーに対して、ソフト購入時のメールやアカウント連携情報などを定期的に確認し、万が一に備えておくことも推奨している。自衛の手段は限られているからこそ、いざというときに迅速に対処できるよう、今回紹介した内容を把握しておくことが大切だ。
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