50代女性「今後、仕事がなくなるのでは…」、副業に「清掃」を選んだワケは? 「カッコいいです」「大変って勝手に思ってた」

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2025年07月23日 07:20  まいどなニュース

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ダブルワークとして始めた清掃業、その理由は…? 写真はイメージです(Paylessimages/stock.adobe.com)

「ダブルワークの清掃の仕事、めちゃくちゃいい運動になってます。3時間あっという間で、帰りの自転車で風を浴びるのが心地よい」という投稿がThreadsで話題に。副業を持つメリット、両立の秘訣も聞きました。

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清掃の仕事の楽しさを投稿したのは、大学生・高校生の娘2人がいる、りせさん(50代)。投稿からは運動になる上、「1人なので、自分のやり方で出来るのが快適すぎる」「基本の掃除をこなした後は、余った時間で気になるところを掃除するのですが、その時間が何より楽しみ」と、マイペースに働けて、仕事にやりがいを感じられていることがうかがえます。

さらに、「今度は、ここを掃除しよう! って決めて、家に帰って汚れの落とし方とか調べたりして、家で試してみたりするので、家も一緒にキレイになっていくのもいい感じです」と、自宅の掃除まで捗っているようです。

りせさんの投稿には、
「仕事に誇りを持っていてカッコいいです」
「そんなふうに楽しみに変えて仕事が出来るなんて素敵です。清掃って大変なだけって勝手に思ってたけど、、やってみたくなりました」
「1人で自分のペースでやりたいように出来る仕事は最高ですよね! 快適なのすごくわかります!」
「私もダブルワークで清掃の仕事始めて1か月!3.5時間です!ほんとにいい運動って私も感じています 3.5時間で1万歩、歩くみたいで掃除のバイト日は歩数が増えてます」
といったコメントが寄せられました。

近年、増えつつあるダブルワークですが、総務省統計局 令和4年就業構造基本調査の結果)によると非農林業従事者(※1)で副業をしている人は2022年で305万人で、2017年と比べる60万も増加。副業者比率(※2)は4.8%となっています。正規の職員が副業を持つのは2.5%、非正規の職員・従業員は7.2%と、まだ珍しいようです。

もともとパートとして勤務していた50代女性のりせさんが、ダブルワークすることになったきっかけは? 他の仕事や家族との時間の調整など、詳しく聞きました。

「60歳過ぎても働ける仕事を…」

約9年前、りせさんは繊維製品の加工のパートで働き始めました。6〜7年ほど経って人間関係トラブルに巻き込まれ一旦退職するも、トラブルが落ち着いた頃に職場から声が掛かり復職しました。

「勤務は週3日でしたが、注文がない時はすることがありませんでした。座ってるだけで時給は発生するのですが、頭も体も動かさない時間が苦痛過ぎました」。

耐えられず「注文が入って正社員だけでは人手が足りない時に出勤する」という働き方に変えてもらったりせさん。

「1〜2週間休みの時期がある一方、5日連勤だったりと、月に1〜10日くらい幅のある不規則な勤務体系になりました」

繊維製品加工のパートを続けていくなか、加工の仕事が減り、50代を過ぎた頃には仕事がなくなるのではないかと危機感を覚えるように。また、その頃、50代の生き方についての本を読み、今後の人生について考えることも。

「『体力作りが大事!』と書いていたので、座りっぱなしではなく体を動かせる仕事で、60歳過ぎても働ける仕事を今のうちに確保しておこう! と無理なく続けられそうなもう1つの仕事を探し始めました」

副業を見つけて今年の5月頃から、パートとして清掃を続けています。

「週3日は安定して仕事があるので、現在こちらがメインとなります。繊維加工の仕事は副業の立ち位置になってしまいました」

「もう1つの仕事で、気分転換に」

異なる2つの仕事をすることで、生活にリズムができ、毎日を快適に過ごせるように。

「清掃パートは安定して仕事ができるから気持ち的にも安心でき、午前中3時間のほどよい運動で体力アップ! 繊維加工の仕事は、不定期ですが、仕事があれば収入アップの楽しみがあり、なければ家事の時間に余裕ができたり、平日のお出かけを楽しんだり。このちょっとランダムな予定が良い刺激になっています」

また、やってみるまでは大変だと思っていたダブルワークにもメリットも実感。

「片方の仕事で何かあっても、もう1つの仕事がある事で気分転換にもなりますし、それぞれの仕事と家事のやりくりやバランスをとるのに脳を刺激していいかも! と今のところプラスに感じることの方が多いです」

「副業で、絶対条件なのは…」

とはいえ、働く時間も覚える仕事も人間関係も、“ダブル”になるダブルワーク、どちらの仕事も両立できるよう気を付けていることもあるそうです。

「仕事を決める時点で、なるべくストレスになる要因が少なめな仕事を選びました。仕事のモヤモヤを家に持って帰るようになると、ダブルワークでなくとも続けられなくなります。家で快適に過ごせないので、人間関係も含めて仕事のストレスは少なめが絶対条件です」

さて、何にストレスを感じるかは人それぞれですが、りせさんにとってストレスを感じにくい職場の条件を3つ挙げてもらいました。

【休みやすさ!】代任を探さなくてもOKだったり、急な休みでも嫌味を言われない雰囲気がある。
【ある程度自由に動けること!】立ちっぱなし、座りっぱなし、同じ動きばかりとかはNG。トイレに自由に行けるのも大事!
【職場はなるべく近く!】 お天気が悪くても、無理なく通えるところ。時給で働くのに往復1時間かかれば、1時間分お給料無しと同じようなもの。家事やプライベートの時間も確保できるように。

りせさんは清掃のパートに就くまでの面接の経験を踏まえ、「面接する方の雰囲気や人柄が良いと、会社としては、当たり!な確率が高い気がします。でも、結局一緒に働く人との人間関係が一番のストレス要因なのですが、こればっかりは働いてみないと分からないところが残念です」と、職場選びのポイントと難しさについて語ってくれました。

働きはじめてから気をつけるべきことは、「家事をする余力を残すバランスも大事」だと言いますが、2つの仕事をハシゴする日もあるのだとか。

午前中は清掃のパート、帰宅しシャワーを浴びて、お昼を食べたら繊維加工の仕事、というような慌ただしい日となるそうですが、どう乗り切るのでしょうか。

「前日からの準備が肝心で、シャワーを浴びた後の着替え一式を用意しておいたり、お昼も子供のお弁当と一緒に自分の分も作っておいて帰ったら時短で食べられるように準備して、午後からの仕事用カバンも、玄関にセットしておきます」……なかなかタイトなスケジュール!

さすがに本人も、「これは時々だから楽しめていますが、私の体力的にはいつもだと持たないかもです……」とのことでした。

それぞれの職場については、「どちらも、私がダブルワークである事に配慮してくださっているので、双方の仕事のバランスを私主体で微調整可能なところもストレスなく両立できる大きなポイントです」と語るりせさん。職場からの理解もダブルワークには欠かせないようです。

※1 有業者のうち本業の産業が「農業,林業」及び「分類不能の産業」以外 の者 ※2 副業者比率:非農林業従事者に占める副業がある者の割合

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・谷町 邦子)

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