中京記念出走時のカンファーベスト(ユーザー提供:シカダワキノリさん) 05年に当レースで初めて3連単が発売されて以降、関屋記念では僅か4回しか6桁配当が出ていない。そのうち3度は10万円台だったが、唯一の例外が06年だ。江田照男騎手のカンファーベストが制し、単勝6830円、3連単49万1010円の波乱となった一戦を振り返る。
この年の関屋記念はフルゲートの18頭立てで、一筋縄ではいかない雰囲気だった。単勝オッズ3.0倍の1番人気は、4年前のNHKマイルC覇者のテレグノシス。とはいえ、最後の勝利からは2年近く経っており、同年の3戦は5着、3着、9着。決して全幅の信頼を置ける存在ではなかった。2番人気は連覇を狙うサイドワインダー。前年に重賞を2勝している牝馬のヤマニンアラバスタが3番人気だった。
レースは伏兵のケイアイガードがゆったりとしたペースで逃げた。前半600mは35秒6、1000mは59秒0。この流れを味方に付けたのが、番手追走のダイワバンディットだ。直線半ばで先頭に立ち、このまま押し切るか。そう思われた瞬間、勢い良く並びかけたのが中団追走の14番人気カンファーベストだった。江田照男騎手の叱咤に応え、残り300mで先頭へ。そのまま後続を突き放すと、残り100mでは完全に勝負あった。まるで人気馬のような力強い走りで、03年の朝日チャレンジC以来、2年11カ月ぶりとなる重賞2勝目を手にした。2着には8番人気のダイワバンディットが粘り込み、馬連は3万7340円の高配当。3着は1番人気のテレグノシスだったが、3連単は49万1010円の大荒れになったのだった。
さて、関屋記念は今年からハンデ戦となった。平穏といわれるレース傾向が一変するのか。そういった視点でも要注目の一戦となる。