
瀧本幹也の写真集『正倉院』が8月下旬に刊行される。
1974年に愛知で生まれた写真家の瀧本幹也は、広告写真やCM映像の制作に加え、国内外での作品発表や出版など幅広く活動を展開。代表作に『LUMIÈRE』『PRIÈRE』『LAND SPACE』などがあり、映像分野では是枝裕和監督の映画『そして父になる』『海街diary』『三度目の殺人』、Netflixシリーズ『阿修羅のごとく』などで撮影監督を務めた。
写真集『正倉院』はおよそ1300年ものあいだ貴重な宝物を守り続けてきた正倉院が暗闇の中に浮かび上がる姿をモノクロームで撮影した作品を掲載。藤森照信の寄稿が掲載されている。デザインは原研哉、中村晋平が担当。
8月24日まで大阪歴史博物館で開催中の展覧会『正倉院 THE SHOW −感じる。いま、ここにある奇跡−』では写真集から5点を展示。同展は9月20日から上野の森美術館で開催される。
【瀧本幹也のステートメント】
およそ1300年もの間、静かにそびえ立つ正倉院正倉。その姿を間近に肌で感じた。
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悠久の時に思いを馳せると、貴重な宝物を守り続けてきた光景が胸に浮かんだ。
正倉院は、東を向いている。
創建の昔より変わることなく、西に太陽が沈むころ、東の空からは満月が昇る。
2025年の初め、月の昇る方角から正倉院へ向けて光を投じてみた。
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その鮮明な明暗は、時を超えて新たな表情をもたらした。
かつて人々も、月光に浮かび上がるその姿をこうして静かに仰ぎ見ていたのかもしれない。