《山手線車内で5人けが》相次ぐモバブ、スマホの発火事件…被害経験した記者が語るリアル、メーカー補償はある?

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2025年07月26日 06:10  web女性自身

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モバイルバッテリーをはじめとする、「リチウムイオン電池」を使った商品の発火が相次いでいる。7月20日にはJR山手線の車内でスマートフォンを充電していた乗客のモバイルバッテリーが発火し、5人が軽いけがをするなどの被害を負うという事件が。また、7月23日には品川区のマンションで小型のハンディファンが火元と見られる火事があり、重傷者を含む6人がけがをする被害が出ている。実は本誌記者も、スマホ発火の“被害”にあった経験が。改めて、その時の様子やリスクについて振り返る(以下、女性自身2025年7月9日配信)





ある朝、本誌記者が子どもを送り出して家事をしていたところ、急にシューという音がしたので、「お湯でも沸いたのか」と思い振り返ったところ、何と充電中のスマホが膨張して爆発し、電池部分から発火していた。



驚きのあまり言葉も出なかったが、出勤前でそばにいた夫が、慌てふためく私に代わって、すぐに水をかけて消火。スマホを充電していた棚には一面黒い燃えかすが飛び散り、棚の表面の一部が焦げてしまったものの、火事を防げたことだけが不幸中の幸いだった。



このスマホは約3年前に購入。最近は充電の持ちの悪さを自覚していたものの、何の予兆もなく、突然のことだった。すぐ発火に気付かなければ、子供が家にいたら、夫が家にいなかったら、大惨事になっていたかも……と思うと恐怖しかない。



消火後、新しいスマホを購入し最寄りの消費者センターに問い合わせた。それから消防署へ連絡。消防士が現場の状況を聞き取りに訪れ、後日、罹災証明書を発行してくれた。これは保険会社や、スマホのキャリアから補償を受ける際の証明書になる。しかし、肝心の発火原因は燃えたスマホからの特定が難しいとのことだった。



その後、スマホの製造メーカーに問い合わせたが、“補償などの責任は民法上、購入元のキャリアにある”という予想外の回答。責任の所在を尋ねるも、“メーカーに責任はなく、原因の特定もできない”の一点張り。そればかりか、事故への気遣いや謝罪の一言もなかった。その後、キャリアに電話で問い合わせたが、電話では受け付けてもらえず。購入した家電量販店に出向き、ようやく補償についての確認をとることができた。



その際、補償に未加入だったことが判明。もし加入していた場合は、代わりの端末を受け取れることもある。しかし、未加入だったこと、原因が不明なことから“責任はキャリアにもなく特に対応できない”という。通常使用でスマホが発火するなんて、と腑に落ちないまま、泣き寝入りする結果に。





■落下を繰り返すとスマホ発火の危険が



実は、このようにスマホなどのリチウムイオン電池を使用した製品の発火事故件数は右肩上がりで、2023年の件数は都内だけで167件。10年前の約8倍に(東京消防庁調べ)。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全センターの宮川七重さんに原因を聞いた。



「スマホに内蔵されているリチウムイオン電池はレトルトパウチのような構造で、中には電解液が入っています。電解液がガス化すると電池が膨張して圧力にパウチが耐えきれなくなり破れてガスが勢いよく噴き出します。このガスは燃えやすいので危険です」(宮川さん、以下同)



この電解液のガス化からの発火要因として、まず考えられるのは初期不良だ。購入直後から充電がすぐ切れてしまう、やたら本体が熱くなるなどの異常があれば、早めに購入先などに相談しよう。また、間違った使い方が発火を招くことも。気をつけるべきは、衝撃、圧力、熱の3つの要素だ。



「スマホを落として衝撃を加えたり、ズボンのポケットに入れたまま座るなどして圧力を加えたりすることで、電池の中のパーツが傷つきショートする原因になります。熱にも弱いので、直射日光が当たり続けると電池内部の温度が異常に上昇し、発火することも」



特に高温となる夏場は注意。充電のしすぎも、劣化を促進するという。



「電池にやさしい使い方は、電池残量が20〜80%の間といわれています」



万が一異常を感じたときは、直ちに使用を中止し、購入先に相談を。家族の命と家財を守るために、スマホの危険性を知っておこう。

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