ロッテの本拠地・ZOZOマリンスタジアム ロッテは34勝50敗2分の最下位、首位・日本ハムとのゲーム差は18.5、3位・オリックスまで12ゲーム差で、オールスター明け最初の戦いを迎える。
Vision2025を掲げる中で、この順位というのは物足りないが、交流戦が始まってからは安田尚憲、藤原恭大、友杉篤輝、寺地隆成、山本大斗がほぼスタメンで起用されるようになり、小川龍成、宮崎竜成、西川史礁、池田来翔、上田希由翔もスタメン出場するなど、若返りが急速に進んでいる。
後半戦に向けて藤原が「やることは変わらず、今まで通りやっていきたいと思います」と話せば、山本は「長打でランナー一塁からでも得点できるようなバッターになりたいし、2アウトランナー一塁でも得点させられるようなバッターを目指して、この夏はやりたいと思います」と誓う。
山本と同学年のドラフト1位・西川は「1試合1試合全力で自分のやるべきことをしっかりとやっていきたいと思います」と意気込み、ドラフト2位・宮崎は「少ないチャンスをモノにできる最大の準備をして、まずはバッティングでアピールできるようにと思います」と打撃での貢献を掲げる。
上田も宮崎と同じように「バッティングで貢献したいと思っているので、チャンスの1本だったり、今は任されている自分の役目を理解しながら、1打席1打席集中してやっていければいいかなと思います」と決意を述べた。
投手陣でも高卒3年目の田中晴也は「より長いイニングを投げることが自分の仕事なので、そこを徹底しながら、とにかく勝っている状態で試合を終わらせたり、勝っている状態でリリーフに繋げる。とにかくそこだけを目指して自分のやるべきことを全力でやりたい」と、長いイニングを投げ抜くつもりだ。
若い選手が台頭してきただけでなく、『マイナビオールスター2025』には25歳の藤原、23歳の中森、22歳の山本、19歳の寺地が、球界を代表する選手たちが集うオールスターという舞台に出場した。
ロッテの若手といえば、“育っていないようで育っている”、“育っているようで育っていない”という状況がここ何年か続いていたが、オールスター明けに彼らが“期待の若手”を卒業し、“レギュラー格”と呼べる存在になった時にチーム力は間違いなく上がる。
吉井理人監督は前半戦最終戦となった21日のオリックス戦後の報道陣の取材で「若い選手たちがピッチャーもバッターも守備の方もできることがだんだん増えてきて、戦える自信をみんな持ててきたんじゃないかなと思っているので、後半チャレンジして頑張ります」と若手の成長に目を細める。
若手選手たちの活躍に加え、中堅、ベテラン選手たちも自身の役割を果たせば、チームの勝利数は自ずと増えていくはずだ。近年のロッテはチームとしての好不調の波が大きく、大きな連勝をしたかと思えば、突然大きな連敗をしたり、その逆もあった。23年には7月29日終了時点で貯金を最大の13としたが、8月以降に失速し、9月26日の試合後に借金2まで抱えたこともある。
現在の借金は『16』、ここから借金返済し貯金生活というのはかなり至難の業だが、オールスター明けの戦いで勝ち越し、1つでも上の順位でシーズンを終えたい(その結果、CS出場を決めたら最高だが…)。そのために、敵地・エスコンフィールドでの首位・日本ハムとの2連戦、オールスター前最後のオリックス4連戦を3勝1敗と勝ち越した時のような戦いを見せたい。
取材・文=岩下雄太