関屋記念に出走するフォーチュンタイム(c)netkeiba 今週の日曜日は、新潟競馬場で関屋記念(GIII・芝1600m)が行われます。
昨年までは別定戦で施行されていた関屋記念ですが、今年からはハンデ戦に変更となります。それ以外にも開催月の違いなどはありますが、新潟外回りの芝1600mが舞台であることに変わりはありませんので、ここでは過去10年の関屋記念のデータから傾向を紐解いていきたいと思います。
過去10年の関屋記念では前走で1600mに出走していた馬が6勝2着8回3着7回と良績を残しています。12年のサマーマイルシリーズ創設時から対象レースに指定されていることもあり、前走で1600mのレースを経験している馬に分がある一戦と言えそうです。
そのほかの距離では前走で1800mに出走していた馬が2勝2着1回3着2回、同2000mの馬が1勝2着1回、同1400m以下の馬が1勝3着1回となっています。前走が1600mではなかったとしても、その距離に近いレースを経験していれば結果を残す可能性があるという点は覚えておきたいところです。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
牡馬、セン馬で前走1400m以下
[0-0-0-18]複勝率0%
該当馬:オフトレイル、ゴールデンシロップ、ジョウショーホープ、ニシノスーベニア、ハクサンバード、フォーチュンタイム、メイショウシンタケ
(過去の該当馬:20年グルーヴィット3番人気7着、17年ロードクエスト2番人気6着)
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。
上位人気が予想されるフォーチュンタイムが該当しました。
データ対象の関屋記念はすべて新潟外回りの芝1600mで開催。新潟外回りの直線は650mを超える距離ですし、道中ではしっかりと溜めを利かせることが重要になります。しかし、前走で1400m以下のスピード競馬を経験している馬は、距離延長でうまく溜めを作ることができないため苦戦する傾向にあると考えられます。
過去10年の関屋記念で前走1400m以下から馬券に絡んだのは2頭でどちらも牝馬でした。牝馬のみが結果を残しているのは季節的なものがあるのかもしれません。牝馬は冬場よりも夏場に成績が上昇する傾向にありますので、その分だけ牡馬やセン馬よりも成績を残せていると考えられます。
該当馬に挙げたフォーチュンタイムは4歳の牡馬で前走は芝1400mの阪急杯に出走。レースでは先団を追走するも道中は力みながらの走り。そこで余計な体力を使った影響か、直線では逃げた馬を交わせないどころか、後続にも差されてしまい5着に終わっています。
今回は前走から距離延長になりますし、出走メンバーを見ると先行勢はそれほど多くないことからペースは落ち着きそうです。そうなると前走のように道中で力む可能性が高くなりそうですし、直線で失速してしまうシーンも十分に考えられます。
これまで1600mでは4戦3勝2着1回と連対を外していませんが、これはすべて条件戦での結果。しかも、どのレースも行きたがるような様子を見せていましたので、本質的にこの距離は長い可能性がありそうです。それでも勝っているのは条件戦では地力が違ったからでしょう。しかし、今回は重賞で一筋縄ではいかないメンバーが相手。少しのロスが結果に大きな影響を与えるでしょうし、折り合いに課題があるのは不安材料と言えるでしょう。
今回は過去の傾向やフォーチュンタイム自身の特徴から苦戦しそうな印象ですし、ここは軽視するのが正解と言えるのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。