エアコンとサーキュレーターを併用すると、本当に節電になるの? FPが解説【2025年7月版】

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2025年07月26日 20:20  Fav-Log by ITmedia

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エアコンとサーキュレーターの同時使用で、節電?(出典:photo-ac.com)

 エアコンを使っていて、「部屋の一部だけが冷えて、他の場所はあまり涼しくない」と感じたことはありませんか? こうした温度のムラを解消するには、サーキュレーターの活用が効果的です。空気を循環させて部屋全体の温度を均一にすることで、冷房効率が上がり、結果的に節電にもつながります。

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 とはいえ、サーキュレーターも電気を使うため、「電気代がかかるのでは?」と気になる人もいるかもしれません。そこで、サーキュレーターを1日中使った場合の電気代を試算し、エアコン単体で使用した場合と、サーキュレーターを併用した場合の電気代を比較してみました。

●サーキュレーターを併用すると冷房効率が上がる

 空気の性質として、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に流れるため、エアコンだけでは部屋全体に冷気が行き渡らず、冷房効果が弱くなる場合があります。

 エアコンをつけていても暑い場所があると、設定温度を下げて対処しがちです。設定温度を1度下げると、消費電力量が13%増えると言われているので、電気代がかさむ要因になります(出典:環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査」)。

 空気を循環させて、部屋全体に冷気が行き渡るようにすれば、設定温度を下げなくても冷房効果が高まります。空気を循環させるためには、サーキュレーターが有用です。エアコンと併用して冷房効率を上げれば節電につながります。

●サーキュレーターの電気代はどれくらい?

 サーキュレーターを使うと節電になると言っても、サーキュレーターも電気を使用するので、電気代が気になります。サーキュレーターの消費電力は製品によって異なりますが、20W〜40Wが一般的です。

 サーキュレーターは使われているモーターによって消費電力に違いが出てきます。主にACモーターとDCモーターの2種類があり、DCモーターの方が消費電力が小さい傾向があります。

・モーターごとの特徴

・ACモーター

・消費電力と運転音が大きめ、本体価格は安い傾向

DCモーター

・消費電力は小さめ、運転音は静か、本体価格は高い傾向

 ACモーターの製品は消費電力が30〜40W程度、DCモーターの製品は消費電力が20〜30W程度になっている製品が多く見受けられます。

 仮に消費電力30Wのサーキュレーターを1時間使用すると、電気代は0.93円になります。24時間使用しても22.32円です(電気料金単価は31円/kWhで計算)。

●エアコンとサーキュレーター、併用すると電気代はどれくらい節約できる?

 エアコンとサーキュレーターの併用で、どのくらい電気代を節約できるのか試算してみましょう。試算方法は、エアコンとサーキュレーターを併用して使用した場合と、エアコンのみ使用し、設定温度を1度下げた場合の消費電力量を比較します。

エアコンとサーキュレーターを併用した場合

・冷房使用時の消費電力が1000Wのエアコンを1時間使用

・エアコンの電気代:31円

消費電力が30Wのサーキュレーターを1時間使用

・サーキュレーターの電気代:0.93円

・1時間あたりの電気代:31.93円

エアコンのみ使用し、設定温度を1度下げた場合

・エアコンの電気代:34.1円

・1時間あたりの電気代:34.1円

 エアコンとサーキュレーターを併用すると、1時間あたり2.17円の節約になることが分かりました。24時間稼働させた場合は、約52円の節約になります。

●冷房効率が上がるサーキュレーターの置き方

 冷房効率を上げるには、サーキュレーターの置き方も重要です。

 冷たい空気は低い場所にたまるので、エアコンの風向きは上向き(水平)にします。サーキュレーターは、エアコンの下に置き、エアコンの風が出ている方向に向けてサーキュレーターの風を出すと、たまった冷気をかき混ぜて温度ムラをなくし、部屋全体を涼しくすることができます。

●まとめ

 エアコンとサーキュレーターを併用することで、1時間あたり約2.2円、24時間使用した場合は約52円の節約になることが分かりました。

 年間の電気代に換算してみると、1日12時間、冷房期間4カ月間(6月〜9月)使用したとすると、年間で約3200円の節約となります。決して小さくはない金額ですね。

 サーキュレーターは、つけっぱなしにしてもそれほど電気代はかかりませんが、必要な時だけ使うという意識を持つとさらに節約できます。適度に部屋の空気が循環したら、サーキュレーターを切っても効果は保てます。タイマー機能を使って1時間経ったら切る、効果が薄れてきたら再度入れるなどすれば、無駄な電力を抑えられます。

 節約を意識しながらも、夏を快適に過ごすことは十分可能です。エアコンとサーキュレーターの併用もその方法の一つになるでしょう。

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