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2025年07月26日 20:45 ねとらぼ
限定公開( 1 )
「ザリガニ池の水、全部抜く!!」というYouTube動画が話題になり、ねとらぼの記事でも2024年12月に紹介しました。動画や記事に寄せられた反響や、活動についての思いを投稿主さんに聞きました。
「ザリガニ池の水、全部抜く!!」というYouTube動画が話題になり、ねとらぼの記事でも2024年12月に紹介しました。動画や記事に寄せられた反響や、活動についての思いを投稿主さんに聞きました。
動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「コミヤの生物多様性に関する一考察」。生物多様性を全力で楽しみたい、だから生物多様性を保全する……という考えを持つ小宮春平さんが、生物多様性を守るべく池の水を抜いたり、外来種を捕獲したりする様子を公開しているチャンネルです。
今回の池はいつもザリガニをとっている池とは別の池で、規模的にはあまり大きくないとのこと。池の水を抜いてザリガニを拾い、拾ったザリガニは野食ハンターの茸本朗(たけもとあきら)さんに食べてもらう作戦で、小宮さんは池の中から、茸本さんは池の外から、二手に分かれてザリガニを捕獲していきます。
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この池は昨年も水を抜いて捕獲しているためか、あまりザリガニの姿が見えないとのこと。 茸本さんによると、ザリガニに混じってゲンゴロウやマツモムシなどの水生昆虫の姿が多く見られるため、思った以上に駆除の効果が出ているようです。
ため池の水を抜く「池干し」という作業は本来、農業用のため池を維持し、守るために行われるそうです。池の底に泥がたまってしまうと水をためられる量=使える水の量が減ってしまいますが、水を抜くと一緒に泥も抜けていき、ため池の機能が維持できるそうで、行政も「2年に1回くらい水を抜いたほうがいい」という指針を出しているそうです。
日本にいるアメリカザリガニは、貴重な在来種を食べる、水草を抜いて生き物が暮らせる環境を破壊し水質を悪化させる、堤に穴をあけて水を漏らす、田んぼに穴をあけて米を作れなくする、駆除が難しいという、日本の環境の中における「最悪の生き物」といっても過言ではないとのこと。今回の作業で低密度化していることが確認できたので、来年までこの状態をキープできれば、周辺の水生植物がこの池にくるかもしれないということでした(数が増えやすい生き物なので、池の水を抜くときや夏の前には、継続して捕獲していく必要があるそうです)。
池の水を全部抜いた結果、昨年の10分の1以下ではあるものの、1人前の食材としては十分な量のザリガニを捕獲することに成功した小宮さんと茸本さん。捕獲したザリガニがどんな料理になったのか気になる人は、茸本さんの動画でチェックしてみてください。
小宮さんはYouTubeチャンネル「コミヤの生物多様性に関する一考察」やX(Twitter/@ariake538)で、ザリガニをはじめとしたさまざまな生き物を追う姿を公開中。茸本さんのYouTubeチャンネル「野食ハンター茸本朗(たけもとあきら)ch」にも出演しています。
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――動画や記事に寄せられた反響への感想を教えてください
取り上げていただき、それまで6万程だった再生回数が60万回までに伸びました。12月時点で1万人ほどだったチャンネル登録者も1月には1万4000人を越え、多くの人に知って頂くきっかけとなりました。
また、意外にも池干しそのものへのコメントも多く、アメリカザリガニの問題だけではなく、ため池の管理についても知って頂ける機会になったのではないかと感じています。何にせよ、これ程多くの方の目に止まったのは本当に有難い限りです。
――池の水を抜いたり、外来種を捕獲したりと、生物多様性を守るために活動していますが、活動をしていて大変なことはありますか
やってる本人たちは楽しく活動しているので、作業はあまり苦にならないんです。動画外で年間を通してやっているため池の草刈りやアメリカザリガニの罠上げなど、暑くて面倒だなと思うこともありますが、池の環境を整えてアメリカザリガニを減らせば、本当に素直に環境が再生して驚くような変化を見ることができます。
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去年まで濁ったドブみたいな池が、本気で駆除すればわずか一年で水草と多くの生き物で溢れ、池の底まで見通せる透明度を取り戻すとか面白さしかありません。そういう変化を見てしまうと、「1時間空いたから罠上げに行こう」みたいな感じで自ずと池に通うようになってしまいます(笑)
――フォロワーやチャンネル登録者へのメッセージを教えてください
外来種駆除についてはやっても意味が無いという声もありますが、実際ある一定以上の捕獲圧をかけてしまえば効果が出てきます。この池をはじめ、私たちは幾つもの池の再生に取り組んでいますが、閉鎖水域ではその効果は激的で驚くような変化を見ることが出来ました。
環境問題は暗い話題ばかりですが、人の努力次第ではまだまだ出来ることはあります!少しでも多くの方に、その事を知っていただきたいなと思っています!
動画提供:YouTubeチャンネル「コミヤの生物多様性に関する一考察」
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