【日本ハム】19歳柴田獅子「緊張なく本当に楽しんで」3K手応え 圧巻3回パーフェクト39球

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2025年07月26日 21:04  日刊スポーツ

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日本ハム対ロッテ 日本ハム先発の柴田(撮影・黒川智章)

<日本ハム5−0ロッテ>◇26日◇エスコンフィールド



度肝抜くパーフェクトデビューだ。日本ハムのドラフト1位、柴田獅子投手(19)がプロ初登板初先発し、3回無安打無失点、無四球3三振の完全投球を披露した。今季の高卒新人投手では12球団一番乗りデビュー。16年ぶりの首位ターンに成功した新庄剛志監督(53)から、大事な後半戦開幕戦での先発を託され、重圧のかかるマウンドで、しっかり期待に応えてみせた。


   ◇   ◇   ◇


高卒新人とは思えない堂々とした投球を披露した。柴田は初回は2番寺地にこの日最速の153キロをマークするなど、ストレート8球で3者凡退。2回は4番山本を152キロの高めのストレートで空振り三振。続く西川とのドラ1対決はカウント1−2と追い込み、外角低めへの鋭いスライダーで連続の空振り三振だ。2回は14球、3回も先頭の高部を縦に鋭く曲がるスライダーで三振に切って取るなど、17球で仕留めた。


2軍戦含めても自己最長の3イニング、最多39球を投じ、今季ホーム最多3万5024人の大観衆に「柴田獅子」をアピール。「緊張感はなく、本当に楽しんで投げられました。普段通りというか普段以上に投げられた」。圧巻デビューに家族や親族約10人と観戦した父禎(ただし)さん(53)は「マイペースで昔から見ている方がハラハラする。緊張しているのを見たことがない。どうしてか分からない」と、相変わらずの強心臓ぶりを驚いた。


首脳陣は球数40球、2イニング程度に限定していたが、3回で39球におさめた。「きっちり決められているので、そのための準備をしました。1回多く投げられて良かった」と柴田。新庄監督は「計算しながら投げていた。僕は2回じゃないです、3回は投げさせてもらいますよと。そういうピッチャーって、経験積んでいけば完投能力が出てくる。また出てきやがった」。チーム19完投と12球団トップを誇る先発王国に新たな候補が生まれ、うれしい悲鳴だ。


約1年前の昨年7月24日、夏の甲子園をかけた福岡大会決勝で新庄監督の母校西日本短大付に敗れた。「4番投手」で先発出場し、投手としては3回1死二塁で無念の途中降板。それでも試合後、涙はなかった。「できることはすべてやってきた。悔いはない」。プロで心身ともに磨き上げ、最速は5キロアップの154キロに。1年後の姿に「イメージ通り。次は160キロ近く投げたい」と断言した。


次回登板に向け1度登録抹消し、2軍で球数を増やし、先発で5回以上投げるための準備にシフトする。「抹消されずに、すぐまた1軍で投げたい。体力つけてペース配分も考えて5回を投げて勝ちをつけられる投手になりたい」。自らにムチを入れ、初勝利の日をたぐり寄せる。【永野高輔】


◆柴田獅子(しばた・れお)2006年(平18)4月18日、福岡県生まれ。福岡大大濠3年夏は福岡大会で投手兼一塁手でプレーし、投げて2勝、打撃は打率5割2分6厘、1本塁打、6打点。決勝で西日本短大付に2−5で敗れ甲子園出場なし。高校通算19本塁打。昨年ドラフトでは宗山(明大)を外した日本ハムとソフトバンクが外れ1位で競合し、日本ハム入団。イースタン・リーグでは投手で8試合(防御率2・31)、打撃は96打数15安打(打率1割5分6厘)、2本塁打。今季推定年俸880万円。187センチ、87キロ。右投げ左打ち。名前の由来は祖父がライオンズファンだったため。


日本ハム田宮(柴田とバッテリーを組んで好リード)「僕が高卒1年目の時に組んだ(同期入団の吉田)輝星よりも球の出力はあるんじゃないですか。(相手打者は)真っすぐを狙っても差し込まれている感じはあった。打たれたら僕の責任だなって感じていた」

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