【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は29、30両日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、金融政策を協議する。トランプ大統領の高関税政策により、インフレ再燃リスクがくすぶる中、政策金利を5会合連続で年4.25〜4.50%に据え置くとの見方が大勢だ。一方、トランプ氏は利下げ圧力を強めている。
トランプ氏は24日、FRB本部の改修工事現場を視察。工事のコスト膨張を問題視し、パウエルFRB議長の責任を問う構えを示していたが、視察後は同氏を解任する「必要はない」と明言。ただ、「パウエル氏は適切なことを行うだろう」と述べ、あからさまに利下げを催促した。
米経済は、不透明感の高まりを背景に個人消費などに減速の兆しがうかがえるものの、全般的に堅調さを保つ。労働市場も底堅く、6月の失業率は4.1%と低水準にとどまっており、利下げを急ぐ状況にはない。
一方、6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇と、伸び率が2カ月連続で拡大。トランプ関税の影響が徐々に表れ始めている。
こうした中、パウエル氏はFOMC後の記者会見で、高関税が物価にもたらす影響をさらに見極める意向を表明するもようだ。市場では、パウエル氏が利下げ時期に関する手掛かりを示すか注目されている。
FOMC内では、年内に利下げを再開するとの予想が多数派を占める。一部は今回の会合で利下げを支持する可能性があると言明している。