
健康的に美しく年齢を重ねるために、最も大事と言っても過言ではない睡眠。
しかし、年齢を重ねると睡眠の質が下がりすくなるうえ、普段何気なくやっている習慣が実は睡眠の質を悪化させてしまう場合も……。
女性の体型改善専門パーソナルトレーナーの筆者が、睡眠の質を下げるNG習慣と、改善策をご紹介します。
■寝る直前に冷房をつける
睡眠の質を保つためには、適切な室温を保つことが大事。そのため、エアコンでのコントロールが快眠のために必要です。
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しかし、やりがちなNG習慣はエアコンを寝る直前につけること。
寝る直前に冷房をつけても、壁や天井に蓄積された熱のせいですぐには快適な室温になりません。快適に眠り始めるためには、就寝の30分〜1時間前には冷房をつけ、部屋全体をあらかじめ冷やしておくことが効果的です。
■冷房の温度を下げすぎる
熱帯夜の寝苦しさから冷房の温度を下げすぎると、体が冷えすぎてしまい、かえって睡眠の質を低下させる原因になります。温度設定は低くしすぎず、風が体に直接当たらないようにするとよいでしょう。
夏の睡眠では、室温は28℃前後、湿度は40〜60%程度に一晩中保つのが理想的です。やみくもに部屋を冷やすのではなく、部屋に温湿度計をおいて、寝る直前までにに温湿度をコントロールするようにしましょう。
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エアコンの風が体に直接当たらないようにするには、サーキュレーターなどで空気を循環させるとより寝付きがよくなるでしょう。
■就寝直前のアルコール
寝酒として就寝直前にアルコールを飲むと、一時的に寝つきは良くなりますが、睡眠の質が悪化する原因となります。これは、アルコールが体内で代謝される過程で生まれるアセトアルデヒドが原因です。
アセトアルデヒドが生成されると、交感神経を刺激し、眠りを浅くします。そのため、眠りはスムーズになりますが、トータルで見ると睡眠の質を下げてしまうのです。
質の良い睡眠を確保するためには、就寝前は飲酒を避け、刺激の少ない飲み物でリラックスするのがおすすめです。
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■4シャワーだけで済ませる
暑い夏は入浴せずにシャワーだけで済ませがちですが、睡眠の質を上げるにはNG。体の中心部の体温(深部体温)が十分に上がらず、寝つきを良くする効果が薄れてしまいます。
人は深部体温が下がる過程で眠気が訪れます。入浴中から入浴後は深部体温があがり覚醒しますが、徐々に睡眠に適した体温に下がります。結果、シャワーだけよりも入浴した方が体温の下がり幅が小さくなり、より大きな眠気が生じて睡眠の質を上げられるのです。
理想は、就寝の1時間半〜2時間前に、40℃前後のぬるめのお湯に浸かること。余裕を持って入浴時間を確保するのがおすすめです。
筆者も40歳を超えて夜に覚醒する回数が増えるなど、睡眠の質の低下を感じることが増えました。そのため、日常的なアルコールやカフェインをやめたり、入浴時間を気にしたり、室温を調整したりしています。その結果、以前よりもかなり途中覚醒が減り、身体の調子もより改善されてきました。普段の何気ない習慣を変えることで自分自身は変わってきます。できることから少しずつ始めて、いつまでも若々しく美しい心身を作りましょう。
(パーソナルトレーナー 藤本 千晶)