
「私だったら即座に辞めて、落ちた人のところに謝って回る」
2007年7月の参院選で自民党が大敗した局面で、石破首相が当時の安倍晋三首相に対して放った言葉がブーメランとなって返ってきている。
7月20日投開票の参院選で自民党は歴史的惨敗をしたものの、居座りを決め込んでいる首相。
「大敗から一夜明けた21日の会見では続投の理由について“明日起こるかもしれない首都直下型地震、あるいは南海トラフのような自然災害が起きるかもしれない状況で国政に停滞を招かないということが最も大切”と力説しました」(全国紙記者)
22日には、首相経験者の麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相の重鎮3人と面会した後、
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「私の出処進退について一切、話は出ていない。党の分裂は決してあってはならないなど、いろんな話があった」
と改めて退陣説を否定した。
とはいえ野党だけではなく党内の国会議員、地方組織からも退陣要求が出ているが─。
石破首相が「辞めない本当の理由」
「石破さんが辞めないのは、国政に停滞を招くなどという理由ではなく、意地が大半を占めています。そんな中でも彼の信念に基づいたいくつかの理由がある」
と、石破首相に詳しい永田町関係者が明かす。
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「まずひとつは次がいないということ。石破さんは小泉進次郎さんに後を任せたい考えがあったけれど、農業関係者からの反発が大きくてできない。退陣後も自らの影響力を残すためには、進次郎さんを後継者にするくらいしか道はありませんから」
なんとも自分勝手な居座りの理由だが、これだけではないようだ。
「8月15日に80年談話を出して、安倍元首相の70年談話の上塗りをしたいのでは。
2015年8月14日、戦後70年を機に発表した声明で、安倍さんは過去の戦争に対する反省とお詫びの気持ちを表しつつ、今後の日本の平和貢献を誓う内容を話しました。
石破さんにとって安倍さんは政敵でしたから、安倍談話の否定をしたいのではないでしょうか」(同・永田町関係者、以下同)
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“トランプ関税”の交渉結果にドヤ顔
個人的な理由で首相の座に執着しているとしかいいようがないが、ここにきて石破首相の株が上がり始めているという声も。
「トランプ大統領との関税交渉が実質的に日本の勝ちといえる一律15%で合意したためでしょう。石破さんは“国益をかけた交渉の結果”とドヤ顔を見せましたが、確かに諸外国と比べて15%の関税は最も低く、これは石破さんの実績といっても過言ではない。
ただ、これはトランプさんが石破さんの顔を二度と見たくないから早めに合意して終わらせた、という裏話もある(笑)。いずれにせよ石破さんだからこそ成しえた業なのは確か」
SNSなどでも「#石破辞めるな」など、にわかに評価が上昇し始めている石破首相。
しかし党内からの評価が上がらない限り、今後も安泰とはいかないだろう。