
参院選に日本保守党公認で比例区から出馬して当選した弁護士の北村晴男氏が7月27日、石破茂首相をめぐる批判を自身のXに投稿して、波紋が広がっている。
石破首相を批判した北村晴男議員
「石破首相は先の参院選で大敗を喫してもなお、続投への執念を見せています。そんななか、北村氏が自身のXで石破氏を痛烈批判したんです。ネット上のまとめサイトを引用しながら、『国民の審判は既に下った。この『解散するぞ!』ポーズは自民党衆議院議員への脅し。どこまでも醜い、奇妙な生き物』と投稿しました。
ところが、この批判の根拠とした映像は昨年8月の日本テレビニュースのキャプチャで、石破氏が自民党総裁就任前に語った内容でした。この映像で石破氏は、『自民党の新総裁と首相に選出された場合、一通り衆参の本会議、予算委員会で論戦をし、国民の審判を受ける』と発言。それを日テレ側が『国会で一定の審議を行った後、衆院の解散総選挙に踏み切る考えを示す』と字幕解説していました。つまり石破氏自身は『解散する』と明言したわけではないのですが、北村氏はそれを曲解。しかも1年前の映像を最近の発言と勘違いしている可能性が高いのです」(政治ジャーナリスト、以下同)
事実誤認のうえ、法曹資格を持つ国会議員が“醜い”“奇妙な生き物”呼ばわりするという、れっきとした人格攻撃。この発言を受け、ネット上では批判の声が相次いだ。
《石破支持じゃないけど、弁護士資格持ってる北村さんが誹謗中傷はアウトでしょ》
《国会から退場していただきたい》
《なんか人が変わりすぎてて怖い》
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など、多くの苦言が寄せられている。そして当然というべきか、同じ法曹界からも厳しい視線が。
「同じく弁護士出身で政治家経験のある橋下徹氏も28日、X上で北村氏を批判。発言記事をリポストしたあと、『およそ税金で飯を食っていく国会議員とは思えない。これまでは単なる一弁護士で好き勝手に言えたが、これからは税金で飯を食っていく公人の国会議員だ。発言の仕方を一から勉強しろ』と自戒を求めていました」
だが、そんな橋下氏自身も現役時代は舌禍の常習犯だった。
「大阪府知事時代の2008年には、NHKへの生出演が公務で遅れたことを番組内で強調されると、『今後一切NHKのスタジオには行きません』と激怒し、絶縁宣言。大阪市長時代の2013年には慰安婦問題をめぐり、『慰安婦制度は必要だった』と発言したことが国際的な批判を浴び、訪米予定がキャンセルになる事態に発展しました。こうした過激な物言いは政界を去ってからも続いています」
そんな2人の共通点といえば、今年3月に終了した『行列のできる相談所』(日本テレビ系)への出演経験だろう。芸能プロ関係者が語る。
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「『行列』出身で政界進出したのは橋下氏、丸山和也氏に続いて北村氏が3人目。いずれも番組での毒舌キャラを、今の政治活動にも引きずっているようです。ただ、視聴者ウケする過激な発言と、政治家に求められる品位ある言動はまったく別物。しかも昨今問題になっている誹謗中傷を糾弾する立場の弁護士ですからね。
北村氏も政界進出する前から自身のYouTubeで舌鋒鋭く世相を斬っていましたが、国会議員という立場では、テレビでのキャラクターとは一線を画す必要があると思います」
『行列』出身弁護士が陥りがちな“テレビキャラ”の呪縛。北村氏は今回の騒動について現時点でXでの釈明や謝罪は行っていないが、橋下氏の轍を踏まないためにも、早急な対応が求められるだろう。