東京証券取引所(東証)は7月30日、議事録ソフト「AI GIJIROKU」などを提供するAIスタートアップ・オルツ(東京都港区)の上場廃止を発表した。同社を巡っては、売り上げの過大計上が明らかになっており、東証は「新規上場申請書類の財務諸表などに虚偽の情報を記載していたと認められる」などとして対応を決めた。廃止日は8月31日。
「新規上場申請書類に記載された虚偽の内容は、2021年12月期から23年12月期までの売上高の大部分にかかる極めて重要かつ巨額なものであったと認められる。これは、新規上場申請にかかる宣誓書において宣誓した事項について重大な違反を行ったものと認められるため、同社株式の上場廃止を決定した」(東証)
オルツは24年10月に東証グロース市場に上場。しかし25年4月に売り上げを過大計上していた可能性が浮上し、7月28日に第三者委員会の報告書を公開した。報告書によれば同社は2021年6月〜24年12月の間、AI GIJIROKUの販売パートナーから受注した売り上げのほとんどを循環取引しており、売上高119億900万円、広告宣伝費115億5700万円、研究開発費13億1300万円を過大計上していたという。
循環取引は元代表取締役社長の米倉千貴氏の指示によるものだった。同氏は28日付で辞任し、取締役CFOを務めている日置友輔氏が新たに代表取締役社長に就いた。
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第三者委員会は日置氏の関与も指摘しているが、オルツは「(日置氏)自らの進退を含めて当社の抜本的な組織改革を進めるため、まずは早急に臨時株主総会を開催するなど、代表取締役としての責務を果たすことが必要であると判断し、代表取締役に就任することになった」と説明している。
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