赤色じゃなくなるの?「青い近鉄電車」登場に騒然 大阪線・名古屋線に新型車両導入で注目の理由

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2025年08月09日 17:40  まいどなニュース

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大阪線・名古屋線の新型一般車両(近鉄のプレスリリースから)

近鉄は6月12日、8A系をベースにした新型一般車両の導入計画を発表しました。この発表において、「青い近鉄電車」の導入が鉄道ファン、近鉄ファンの間で話題となっています。一方、「青い近鉄電車」はすでに存在します。なぜ、鉄道ファン、近鉄ファンは今回の青色の近鉄電車を目新しく感じるのでしょうか。近鉄電車と塗装の歴史から考えたいと思います。

【写真】大阪・名古屋・京都と伊勢志摩を結ぶ観光特急「しまかぜ」

2026年に登場する青い新型一般車両

近鉄によりますと、2026年1月から大阪線・名古屋線系統(大阪線・名古屋線・山田線・鳥羽線)に8A系をベースにした新型一般車両1A系・1B系を導入します。このうち、2025年度中に登場する車両は「1A系」、2026年度中に登場する車両は「1B系」を名乗ります。

新型一般車両のベースとなる8A系は、2024年10月から奈良線・京都線系統(奈良線・京都線・橿原線・天理線)で運行を開始しました。現在、運行されている8A系の塗装は、すべて赤色と白色の組み合わせです。

新型一般車両で注目すべきは、塗装です。1A系と1B系の塗装は青色と白色の組み合わせに。さらに、大阪線、名古屋線を走る従来車両の塗装も青色・白色に変わります。

2026年度からは南大阪線系統(南大阪線・吉野線・長野線・御所線)に8A系をベースにした6A系を導入します。6A系の塗装は8A系と同じく赤色です。

つまり、一般車両において、大阪線・名古屋線系統は「青色」、奈良線・京都線・南大阪線系統は「赤色」に色分けされます。

なお、トイレに関して、2026年度・2027年度登場の8A系、1A系、6A系にはトイレが設置される予定です。奈良線・京都線系統、南大阪線系統の一般車両へのトイレ設置は今回が初となります。

近鉄電車と青色・赤色の関係

近鉄には、すでに青色の車両が存在します。その代表例が、大阪・京都・名古屋と伊勢志摩を結ぶ観光特急「しまかぜ」です。「しまかぜ」の塗装は青色と白色を基本とし、青色は「伊勢志摩の晴れやかな空」をイメージしています。

また、南大阪線・吉野線には観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」が運行されています。「青の交響曲」の青色というよりも紺色といった感じ。自然豊かな南大阪線・吉野線沿線の景観に調和し、上質なイメージを持つ青系統の塗装から選択されました。

一方、一般車両で特別塗装を除き、青色塗装の車両はありません。そのため、鉄道ファン、近鉄ファンが「青い近鉄車両」の登場に驚いているのです。例外はけいはんな線を走る7000系、7020系。同車は青色のラインは入っていますが、青色主体とは言いづらいデザインです。

長年、近鉄の一般車両の塗装は「近鉄マルーン」と呼ばれる赤色を主体にしてきました。現に、昭和の時代は阪急電車のように、赤色一色でした。しかし、2000年に登場した新型車両「シリーズ21」では、赤色がなくなったことも。その後、8A系では再び赤色が採用され、「伝統回帰」の声も聞かれました。

一般車両による大阪線・名古屋線直通列車は今後もない?

6月12日付の朝日新聞によりますと、一般車両への青色の導入の背景のひとつとして、大阪線、名古屋線が伊勢志摩につながる路線であることが挙げられています。

確かに、一般車両を用いる快速急行以下の列車は、大阪、名古屋から伊勢志摩方面に向かいます。一方、一般車両を用いた大阪線〜名古屋線間の直通定期列車(伊勢中川駅経由)の設定はありません。また、名阪特急「ひのとり」「アーバンライナー」に青色塗装は存在しません。

「青色の近鉄電車」登場のニュースから察するに、今後も一般車両を使った名阪定期直通列車の設定は考えづらいと思われます。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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このニュースに関するつぶやき

  • 昔から塗色を派手に代えていないのは、実は阪急くらいじゃね?
    • イイネ!10
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