限定公開( 2 )
KDDI株式会社が、8月11日の「山の日」にあわせて、「ゆる登山とスマホに関する調査」を実施しました。同社では沖縄セルラーとともに、2025年4月から日本初の衛星スマホ直接通信サービス「au Starlink Direct」を展開しています。
全国の「ゆる登山」志向者500人を対象とした今回の調査では、気軽に自然を楽しむ“ゆる登山”であっても、通信圏外によるトラブルや“ヒヤリ”とする体験も発生している実態が明らかになりました。
登山中のスマートフォンの重要性については約9割が「重要」と認識している一方で、登山前に通信環境を確認していない人が3割以上にのぼり、意識と行動のギャップが浮き彫りになっています。
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今回の調査ではまず、約2万8000人を対象にしたスクリーニングが行われ、年1回以上登山・ハイキングを行う4584人の中から、“気軽な登山スタイル”を好む「ゆる登山層」500人を抽出して実施されました。
この層に対する回答からは、登山の楽しみ方のトレンドも見えてきます。年1回以上登山をする人のうち、約8割(77.2%)が「気軽に自然の中で過ごすことを楽しみたい(ゆる登山勢)」を志向していました。
登山やハイキングは、もはや「装備やルートにこだわり、目標達成や挑戦を重視する(ガチ登山勢)」だけのものではなく、幅広い世代に親しまれるレジャーとなっています。
世代別の“やりたい楽しみ方”を見ると、40代以上は「滝や川で自然を感じる山旅」が多く、次に多いのが40代は「絶景を楽しめる山旅」、50代は「温泉やご当地グルメも楽しめる“山+旅”」、60代は「季節の花や植物観察ができる山旅」といった、体力にあわせた癒やし志向が目立ちます。
一方で、20代・30代も40代以上と同じく「滝や川で自然を感じる山旅」の人気が高いものの、他の世代よりも多い3割前後の人たちが「写真や動画を“映え”目的で楽しめる山旅」を志向し、SNSを重視しているようすもうかがえます。
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これにより年齢を重ねるほど自然を楽しみ、若い世代は映えも楽しむという傾向が見えてきました。
登山中のスマートフォンの利用状況について尋ねたところ、「欠かせないほど重要」とした人は約2割(21.0%)、「重要」「やや重要」を含めると9割近く(89.0%)にのぼりました。天気や気温の確認、地図アプリの利用、交通機関の調べものなど、スマホは登山におけるあらゆる“確認作業”に活用されています。
にもかかわらず、登山前に通信環境を「必ず調べる」と回答したのはわずか4人に1人(24.8%)にとどまりました。「ほとんど調べない」「まったく調べない」とする人も3割以上(31.8%)を占め、特に50代以上では4割を超えるなど、年齢が上がるにつれ確認率が下がる傾向が見られました。
通信圏外の経験については、実に9割以上(91.1%)が、登山やハイキング中に「スマホの電波がつながらなかったことがある」と回答。そのうち8割以上(85.4%)が「不便を感じた」とし、最も多かったのは「地図アプリやルートが見られなかった」(37.8%)、「天気情報が見られなかった」(30.4%)など、行動判断に影響する内容でした。
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さらに、約3割(28.0%)の人が、通信圏外による“ヒヤリハット”を経験。具体的には「現在地や地図を確認できなかった」「道を間違えて、知らない道に入りかけた」「ケガや体調不良になり、助けを呼ぶことができなかった」など、命に関わる可能性のある事例も報告されています。
他にも自由回答には、「子どもの姿が急に見えなくなり焦った」「登山ルートが確認できず遭難しかけた」といった声も寄せられており、“ゆる登山”といえども、十分な備えが欠かせないことがうかがえます。
警察庁が2025年6月に発表した山岳遭難の統計によると、東京八王子にある高尾山(標高599m)でも、年間131人もの遭難者が出たといいます。この数字は富士山の83人よりも多い数字です。
高尾山のような低山でもこれだけの遭難者が出ているという事実は、“ゆる登山”がしやすい場所だからこそ油断が生まれやすいことを示唆しています。本来、登山には標高の高低にかかわらず危険が伴い、事前の備えが命を守る鍵になります。その現実を、この数字は改めて突きつけています。
スマホは今や登山の必需品ですが、それを活かすも殺すも電波次第。こうした圏外リスクへの対策として、KDDIと沖縄セルラーは、衛星スマホ直接通信サービス「au Starlink Direct」を開始。7月には接続者数が100万人突破するなど、利用が広がっています。
このサービスは、空が見える状況であれば、既存のau周波数を使ってスマホとStarlink衛星を直接接続し、テキストや画像の送受信、現在地の共有が可能。緊急速報メールの受信にも対応しており、登山中の“命綱”としての役割が期待されます。
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025081101.html
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