
【写真】『ファンタスティック4』の青が映える 坂本真綾&林勇の撮り下ろしショット(10枚)
■小生意気な感じもピッタリ!?
――演じるキャラクターの紹介をお願いします。
坂本真綾(以下、坂本):スーは体を透明化できたり、目に見えないエネルギーを操ったり、そのほかにも色々な力を持っているヒーローです。ただ、もともとは普通の人間だったということもあり、私たちとあまり変わらない感覚を持った女性ですね。“ファンタスティック4”チームでは唯一の女性で、優しくみんなを包み込みながら、チームをまとめている存在です。
――母親らしい強さもある。
坂本:そうですね。これまでは子どもがいない4人だけのチームでしたが、本作のなかでスーは母親になるという新しい局面を迎えます。彼女自身も、4人の関係も少しずつ変わっていくのかなというタイミングなので、そこにも注目いただければと思います。
林勇(以下、林):ジョニーはスーの弟で、炎を操る力を持っています。高熱の炎を放つこともでき、戦いの前線でも非常に重要な役割を担っているキャラクターですね。チームのなかではいちばん年下で、明るく陽気でムードメーカー的な存在ですが、ほかのメンバーに甘えている部分もあって。普段はちょっとふざけているところもある人物ですが、肝にある家族に対しての愛情は非常に強いんです。とても大好きなキャラクターですね。
――そんなキャラクターを表現するうえで意識されたことは?
坂本:本作の舞台は1960年代でレトロフューチャーな世界観なんですよ。なので、現代的な口調だとあまり世界観と合わなくて。演じているヴァネッサ・カービーさんも昔ながらのハリウッドスターのような重みのある語り口で、ゆったりと低い声で語りかけるような場面も多かったんです。私も現代的なスピード感のしゃべり方にならないよう自然と意識していました。ヴァネッサさんはハスキーな低い音域の声の方で、普段の私の声とはだいぶ違うのですが、かなり頑張って寄せています。
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坂本:ありがとうございます。
――吹替えだともともと演じられている方の声や芝居に寄せるように意識している。
坂本:そうですね。もちろん全く同じにはなりませんけど、彼女の顔から発せられる声としてしっくりくるように、なるべく近づけたいなという思いはあります。
――林さんはどんなところを意識して演じていましたか?
林:これは4人に共通して言えることかもしれませんが、ジョニーって“ザ・ヒーロー”というよりも、本当にそこらへんにいるお兄さん、普通のおじさんでもあるんですよ。なので、肩ひじ張らずに、抑揚をつけるなどのテクニックもあまり意識せずに演じました。あとは、ジョセフ・クインさんが演じている温度感や意図を汲み取るようにもしていました。まるでジョセフさんがしゃべっているかのように声を近づけて収録しました。
坂本:完成した作品を見ましたが、本当にもう声がピッタリ! 自分でもハマっているなって思うでしょ?
林:いや、でもね、正直、ちょっと声高いかなと思っちゃったんですよね。
坂本:本当? 自分のなかではちょっと壁があったんだね。
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坂本:…この小生意気な感じもね、ピッタリというか(笑)。
林:いやいや、そんなことないです! 普段は僕、非常に好青年ですから(笑)。
――完成した映像をご覧になってみての感想を教えてください。
■坂本&林が“家族の絆”を感じる瞬間は?
坂本:ただただ楽しくって。初めてマーベル作品に触れる人でも、名前は知っているけど通ってこなかったという人でもすごく親しみやすい映画です。私、ぜんぶ見終わった後に「終わった」じゃなくて、「始まった!」って感じたんですよ。この人たちがこの世界のどこかにいるかもしれないと思わせてくれたり、彼らの活躍の続きが早く見たいと思えたりというワクワク感を持ったまま、作品を見終えることができました。劇場ではぜひエンドクレジットが流れても、最後の最後まで席に着いて楽しんでいただきたいですね。
林:もう真綾さんにぜんぶ言われちゃいました(笑)。でも、今までのマーベル作品のなかでも“家族”がテーマになるということでは、特別感があると思います。どこにでもいそうな4人が特殊能力を得て、世界を救うという使命を持ったなかで、粗削りな部分がありながらも、お互いに足りない部分を埋めていく。そんな姿を見ていて僕は「頑張れ!」っていう気持ちになりました。4人が力を合わせることによって、より強大な力が生まれるということもあるんじゃないかなという期待感を持ちつつ、作品を見させていただきました。
――家族と見に行っても楽しめる作品かもしれない。
林:そうかもしれないですね。家族の絆というか、温かみみたいなのを感じて、見た後は非常に心地良い気持ちになれるんじゃないかな。
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林:風邪とか体調を崩した時に優しくなる瞬間は、絆を感じます。僕は去年結婚したのですが、面倒を見てくれる存在がいると「あっ、一緒にいてよかった」と思えて。それくらい身近なところでの経験で絆を感じることがあります。
坂本:私も子どもが生まれてから、より家族ってチームなんだなと感じることが多くなって。物理的にやることが増えたり、それぞれの人生もあったりするなかで、協力しないと何事も進まないんです。そんななかで阿吽(あうん)の呼吸と言いますか。今、どうヘルプを出したら相手が助かるのかなと、お互いが読み合うような空気ができているんです。日々、チームだなって感じていますね。
林:言わずもがな、なんですね。
坂本:うん。お互いに…いや向こうがチームワークを考えてくれているのかも。空気を読み合えているのかなとは思っています。
――そういう意味では、今回の映画で共感する部分も?
坂本:スーの夫であるリードは、リーダー的な存在でありながらも、ちょっと不器用なところまで真面目で、繊細なんですよね。だから、奥さんは大変そうかも(笑)。でも映像を見ていて、そんなリードをスーがうまく立てたり、激励したりして、関係がうまくいっているなと思いました。
林:何だかんだバランスが取れているっていうことなのかもしれないですね。
――改めて、本作の推しポイントを教えてください。
坂本:初めてマーベル作品に触れる方でも、原作を知らない方でも心配する必要はありません。劇場で初めて見ていただいても、すぐに彼らのファンになってしまうような作品です。実は2026年12月18日に公開を控えている『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』にも“ファンタスティック4”が出演することが決まっていますが、より一層彼らの活躍がこれからも続くといいなと思っています。今年のハロウィーンで、みんなが“ファンタスティック4”のスーツを着て練り歩いてくれたらいいなぁと、勝手に想像しています(笑)。でも、それくらい皆さんにも好きになっていただける4人だと思いますので、ぜひ劇場でご覧ください。
林:まずは、何といっても人間ドラマかなと思っています。人間として、家族として過ごすなかでどう成長して、どう巨大な敵と立ち向かっていくのかというところが見どころですね。あとは、やっぱり特殊能力! 僕は少年心をくすぐられました。リードの体が伸びたり、スーが透明になったり、ジョニーが火を操ったり、ベンが怪力を持っていたりなど、それぞれが個性的な力を持っていますので、彼らの戦いぶりを大きなスクリーンで見ていただければと思います。
(取材・文:M.TOKU 写真:上野留加)
映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は公開中。