人手不足が慢性化する中、企業にとって「社員が長く働き続けたいと思う職場づくり」は重要な経営課題となっている。新入社員が働き続けたいと思う条件とは――。
組織開発支援などを手掛けるALL DIFFERENT(東京都千代田区)と、同社の研究機関であるラーニングイノベーション総合研究所が約4000人を対象に調査し、卸売業・小売業の新入社員の仕事に対する考え方などについて分析した。
●新入社員が「働き続けたい」と思う条件
卸売・小売業の新入社員が働き続けたいと思う条件とは。最も多い回答は「職場の人間関係が良い」で69.5%。「高い給与・賞与をもらえる」(64.9%)、「業績が安定している」(39.3%)と続いた。
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他業種と比較すると、「職場の人間関係が良い」は4.0ポイント高い一方、「仕事を通じて成長できる」は11.4ポイント低い結果となった。
●将来会社で担いたい役割
卸売・小売業の新入社員に将来会社で担いたい役割を尋ねた結果、最も多かったのは「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」(28.2%)となった。
「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」(27.9%)、「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」(24.4%)、「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」(18.3%)と続いた。
他業種と比較すると、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」は5.2ポイント、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」は2.9ポイント高い結果に。一方で、「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」は他業種よりも9.4ポイント低いことが明らかになった。
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「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」という回答は2019年度から2022年度まで毎年増加を続けていたが、2023年度から減少に転換。2025年度は過去最低の割合で、最も高かった2022年度よりも9.1ポイントのマイナスとなった。また、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」という回答が、管理職志向の割合を超えたのは今回が初となった。
●「今の会社で働き続けたい」はどれくらい?
卸売・小売業の新人の勤続意向について、「できれば今の会社で働き続けたい」と回答した人は72.5%となり、他業種よりも7.6ポイント高い割合となった。「今の会社で働き続けたい」と回答する割合は年々割合が高まり、2025年度は過去最高となった。
今後3年間の労働時間についてどのように考えているのか。最も多い回答は「定時に帰りたい」で50.0%に達した。「週に2〜3回の残業までなら構わない」(39.3%)と続いた。「定時に帰りたい」とした割合は他業種よりも5.8ポイント高い結果となった。
●20代の時間の使い方
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時間の使い方については、「仕事とプライベート優先」が最も多く30.2%。「プライベート優先」(24.4%)が続いた。特に、「プライベート優先」は他業種よりも6.3ポイント高かった。
調査は3月25日〜4月24日に実施。同社が提供する新入社員研修に参加した2025年度入社の新入社員3933人から回答を得た。
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