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通勤時間が長い人や、住まいの床面積が狭い人ほど不眠症のリスクが高い――大阪公立大学の研究チームがそんな調査結果を発表した。東京都内に通勤する、40〜50代の就労者1757人を対象にした調査で明らかにした。
調査は2024年9月に実施。自宅と職場の郵便番号を基に算出した通勤時間と住宅の床面積を、睡眠の状態とあわせて分析した。その結果、通勤に片道50分を超える人は不眠や日中の眠気を訴える割合が高く、住宅の床面積が95平方メートル未満の人は不眠症の有病率が高い傾向がみられた。対象者の年齢や性別、婚姻状況や世帯年収、最終学歴といった条件を考慮しても、この傾向は変わらなかったという。
内訳を見ると、長時間通勤は不眠症と日中の眠気の双方に関連していた。一方、床面積の狭さは不眠症との関連が顕著で、日中の眠気との有意な関連は見られなかった。研究チームは「住まい選びにおいては『通勤時間の短い都市部か、郊外の広い住宅か」という、睡眠や健康に影響を及ぼすトレードオフの関係がある」としている。
一方で、研究チームは同研究について、「特定の時点でのデータを分析する『横断研究』であり、直接的な因果関係を断定するには限界がある」と指摘。食生活や身体活動、働き方や家族構成など、今回考慮しなかった要因に影響を受けている可能性も排除できないとして、今後は住環境の変化と睡眠の質を追跡する「縦断研究」も必要だと述べた。
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調査は2024年9月にインターネット上で実施。無作為に抽出した、東京都に通勤する40〜59歳の就労者2000人から回答を得て、1757人の有効回答を分析した。研究結果は8月29日付で、学術誌『Journal of Transport & Health』に掲載された。
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