
東京2025世界陸上(13日〜21日、東京・国立競技場他)の大会スペシャルアンバサダーを務める織田裕二さんが“人類最速の男”ウサイン・ボルト氏(39)と対談した。自身が世界記録(9秒58)を持つ男子100mの優勝予想には今季好調の二人の選手を挙げたボルト氏。8度の世界陸上で通算10個の金メダルを獲得し、今大会が最後となる女子短距離のレジェンド、シェリーアン・フレイザー プライス(38、ジャマイカ)への思いや、話題となった運動会での“爆走”についても語った。
【一覧】9月13日開幕『東京2025世界陸上』日程&出場選手
「短距離走を見たい。ハードルも」織田さん:私のこと覚えていますか?
ボルト氏:もちろん!
織田さん:東京世界陸上で注目している競技とか選手とかあれば教えてほしいんですけど・・・男子100mは当たり前だけど。
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ボルト氏:とにかく短距離走を見たいね。短距離走をとても楽しみにしているよ。モンド(アーマンド・デュプランティス、スウェーデン)も棒高跳で活躍していて、毎回記録を更新しているから、楽しみだね。
※A.デュプランティスは自身14度目の世界記録更新、6m30を狙う
織田さん:他の種目は見られますか?
ボルト氏:見るよ。ハードルもとてもエキサイティングだよ。
織田さん:110m?
ボルト氏:そうそう110mハードル。400m(ハードル)もいいよ。熾烈な争いで、いい選手もいるから、見るつもり。
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織田さん:ハードルってトライしたことあります?
ボルト氏:だいぶ昔に一度だけあるよ。
織田さん:それは110mの方?
ボルト氏:そうだよ。でもそこまで柔軟性がないから走れなかったんだ。柔らかくないと走れないよ。
「あの動画見た方がいいよ!」織田さん:男子100mの予想ってしないよね?する?
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ボルト氏:ジャマイカの2選手、(9秒75でジャマイカ選手権を制した)キシェイン・トンプソン(24)と(9秒83で同2位の)オブリーク・セビル(24)の状態がいいと思う。このままの調子でいけば、どちらかが優勝するだろうね。誰かはわからないけれど、競技に集中してやるべきことをやればジャマイカの選手が優勝すると思う。
織田さん:女子の方を聞きたいんですけど、女子100m走。どうですか?
ボルト氏:ジュリアン・アルフレッド(24、セントルシア)は優勝候補だね。それと名前はわからないけれど、アメリカ出身の若い選手。この2人が好記録を出していて、2人ともずば抜けて速いんだ。その2人に注目しているよ。
織田さん:アメリカのウッデン。(メリッサ・ジェファーソン )ウッデン(24)じゃないかな?
ボルト:そうそう。
織田さん:そこにね、よく知っているだろうけど、シェリーアン(・フレイザー プライス)が今回引退レースとして来てるんですよ。長い間一緒に戦ってきたけどどうですか?
ボルト氏:長年活躍する姿を見られて嬉しいし、決勝まで行くチャンスはあると思っているよ。彼女は決勝まで行けるだろう。長い間圧倒し続けてきたわけで、彼女の競技人生を見ることができて嬉しいよ。彼女は何でも可能だということを証明してくれたんだ。出産を挟んで、復帰して、大会で優勝するってね。彼女の最後のレースを見に来られて嬉しい。スポーツ界のレジェンドだから誇りに思うし、共にキャリアを積むことができて嬉しいよ。
織田さん:彼女ママになったけど、(ボルト氏も)パパになったんだよね?。私もなったんですけど、おめでとうございます。
ボルト氏:ありがとう。あの動画を見たかどうかわからないけれど、見たほうがいいよ。彼女がジャマイカのママたちと走る動画だよ。ジャマイカの学校で運動会があって、プライスも出場したんだ。見たほうがいいし、テレビでも流すべきだよ。イベントをめちゃくちゃにしていてとっても面白かった。「どうしてそんなことしたの?」って聞いたら、私が一番だって見せつけなきゃいけないんだって言っていたよ。
織田さん:見ました、見ました!だって、グラウンドがぼこぼこだったでしょ?
ボルト氏:ただの学校だったんだけどね。
織田さん:どうします?お父さん走ってって言われたら。
ボルト氏:同じようにするよ。ぶっちぎって見せます(笑)まだ子どもは小さいですけど、子どもが入学したら準備して臨むよ。
引退後は「ドミノが好き」織田さん:引退した後サッカーをやったじゃないですか。他のスポーツにチャレンジしているとかなんかあります?
ボルト氏:ノーノーノーノー。
織田さん:ゴルフとかサーフィンとか?
ボルト氏:ゴルフは上手くないんだ。やってみたけどダメだった。ドミノが好きなんだ。
織田さん:世界記録保持者が多いんですけど、世界記録ってこの大会で出ると思いますか?
ボルト氏:棒高跳の記録は更新されるだろう。彼(デュプランティス)が記録を更新すると思えばいつでも更新することができるからね。
織田さん:最後に日本のファンに向けてメッセージを。いっぱいいるんです。あなたのファン。私もですけど。
ボルト氏:みなさん、こんにちは。長年にわたって日本からたくさんの応援を受けてきたことを知っているよ。日本のみんなが愛を見せてくれて、本当に感謝している。素晴らしい経験だった。引退したけれど、これからも素晴らしいことを成し遂げるから、応援し続けてね。応援ありがとう、本当に感謝しているよ、楽しんでね。
■ウサイン・ボルト
1986年8月21日生まれ ジャマイカ出身
100m、200m、4×100mの世界記録保持者。世界陸上に7回出場し、初出場は2005年のヘルシンキ大会で200mに出場し8位。2009年のベルリン大会では100m(9秒58)、200m(19秒19)をマーク。世界陸上では11個の金メダルを含む14個のメダルを獲得している。
■シェリーアン・フレイザー プライス
1986年12月27日生まれ ジャマイカ出身
今大会が9回目の世界陸上。これまで10個の金メダルを含む16個のメダルを獲得。近年の100mは2022年オレゴン大会が金、前回大会の23年ブダペスト大会が銅。昨年現役引退を表明したが、パリ五輪で決勝に東京2025世界陸上(13日〜21日、東京・国立競技場他)の大会スペシャルアンバサダーを務める織田裕二さんが“人類最速の男”ウサイン・ボルト氏(39)と対談した。自身が世界記録(9秒58)を持つ男子100mの優勝予想には今季好調の二人の選手を挙げたボルト氏。8度の世界陸上で通算10個の金メダルを獲得し、今大会が最後となる女子短距離のレジェンド、シェリーアン・フレイザー プライス(38、ジャマイカ)への思いや、話題となった運動会での“爆走”についても語った。