同社は2024年5月以降、有望な韓国ブランドを発掘・集約し、海外有力リテーラーで販売する“Kブランド輸出プラットフォーム事業”を展開。パルコとは戦略的協業に関する基本合意を締結したことを発表しており、今回の本格上陸に先駆けてパルコの館にポップアップストアを出店してきた。渋谷PARCOではパク・ソジュンがアンバサダーを務める「ノイス(NOICE)」を皮切りに、「マーティンキム(Matin Kim)」「ミスチーフ(MSCHF)」など、2024年のうちに計23ショップの単独ポップアップを開催したほか、日本のMZ世代をターゲットにしたオンラインプラットフォーム「ヌグ(NUGU)」を運営するMediquitousと手を組み、9ブランドを週替わりで展開する「THE HYUNDAI x PARCO Limited Store with NUGU」を設けた。具体的な数字は非公表としながら記録的な売上を達成するなど、いずれも好評を得たといい、常設店出店の決め手にもなった。
現代百貨店にとってパルコはカルチャーに強みを持つ情報発信拠点である点に共通項を見い出しているといい、中でも渋谷PARCOは常に新しいことに挑戦し、新しい文化を取り入れる姿勢が現代百貨店の目指す方向性と一致していることを評価。フロアごとにコンセプトが明確であり、各ブランドの世界観を尊重しているため、最大限に表現できる点を高く評価している。パルコ側は昨年のポップアップを通じて、韓国ブランドの持つ集客力や売上、ビジネスのスピード感に勢いを感じているといい、韓国のブランドから渋谷PARCOへの出店に関する問い合わせが急増するなど大きな反響があったことから、2019年のリニューアルオープン後初の大型改装となる今回のタイミングで導入を決めた。
店舗名は「ザ ヒュンダイ(THE HYUNDAI)」。「パルコミュージアムトーキョー(PARCO MUSEUM TOKYO)」や日本最大級のヴィンテージ総合ECモール「Vintage Collection Mall(VCM)」初のリアルショップ「VCM MARKET BOOTH」など多様なジャンルの店舗が並ぶ4階にオープンした。同フロアには日本初上陸の韓国ブランド「コイセイオ(COYSEIO)」や「オソイ(OSOI)」も出店するなど、韓国ブランドが揃っているが、パルコとしては「韓国ブランド」という括りで誘致しているわけではなく、今の日本の顧客が求めるファッションやカルチャーの流れを汲んだ結果、自然な形で韓国ブランドの導入に至ったと説明している。