「減らすくらいなら値上げして」カルビーポテトチップスの発表に悲鳴。物価高時代にポテチ生活を楽しむには

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2025年10月01日 09:20  女子SPA!

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 ポテチ値上げ、どう乗り越える?

 先日、ポテトチップスを愛する人々に衝撃が走る事態が起こりました。それは、カルビーが大人気商品「ポテトチップス うすしお味」などのポテトチップス商品を2026年2月2日納品分から8〜15%程度値上げすると発表したのです。

 具体的には155〜160gのラージサイズ・BIGBAG7品を10g減らし、60〜70gのスタンダードサイズは170円前後から10円程度値上げするというものです。

◆ポテチを安くたっぷり食べるには?

 この発表に対してX上では、「価格据え置きで容量を減らす」という部分に大きなショックや不満が寄せられることに……。「ステルス値上げやめて欲しい」「量減らすより価格を上げてくれ」という声があがり、“ポテチはたっぷり食べたい”という欲求を持つ消費者がいかに多いか、考えさせられた人も多いことでしょう。

 今後、ポテチを安くたっぷり食べるために、よい対策はあるのでしょうか?

 そこで今回は、食文化研究家の立場として、ポテチをこよなく愛するファンとして、カルビーポテチ値上げをどう受け止めるべきなのか? 何か良い対策はないのか? について真剣に考えることにしました。

 意外と知られていない情報をお届けすることで、皆様にとっておいしいポテチ生活のヒントになればうれしく思います。

◆日本のポテチは安すぎる

 今回のポテチ値上げを含む食料品の値上げは、今にはじまったことではありません。

 コロナ禍以降、世界規模で物価が急上昇し、欧米では歴史的高水準のインフレとなっているのです。アメリカにおけるポテトチップスの価格を見てみると、同国における定番ブランド「Lay’s(レイズ)」のポテトチップスしお味は、約70g(2.5オンス)で386円(2.59ドル/アメリカのディスカウントストア「Target」での価格)もするのです。日本人からしたら信じられない価格ではありませんか?

 イギリスやフランスでも同量の商品の価格を見ていくと400〜500円は当たり前で、日本のポテチがいかに安いのか思い知らされるほど。つまりカルビーや湖池屋などのメーカーのポテチを冷静かつ客観的にとらえると、食を専門にする立場としては、「安すぎる」というのが正直な感想です。

 しかもジャガイモ本来の風味が味わえる高品質さや製造方法へのこだわりは世界一と断言できるほど、日本のポテチは素晴らしいと思います(海外ポテチはフレーバーの多彩さが際立つ傾向)。

 つまりカルビーのポテチは世界的にもコスパが良すぎるごちそうスナックであり、10円分の容量を我慢させられるショックよりも、追加で10円分出してもしっかり食べられる喜びを優先したい方が勝ってしまうのかも……。

 カルビーにはこのような消費者ニーズが伝わっているのでしょうか? 実はそんな心配を緩和してくれるような嬉しいトピックスがあるのです。

◆スーパーマーケットとの共同開発ポテチが安い!ウマい!

 私はスーパーマーケット研究家として国内外のスーパーの動向をチェックしています。その中で最近目立つのは、カルビーがスーパーマーケットと共同開発という形でオリジナルのポテチ商品を作っているということ。

 例えば、オーケーではユニークなフレーバー「サワークリーム&スイートチリ90g」、「やきのりしお味100g」、「バター味95g」が145円。

 ライフでは王道の「うすしお味130g」、「コンソメ味126g」が257円で登場しています。

 ナショナルブランド商品との差を比べて不足感はなく、ポテチをこよなく愛する私(食べるときはたっぷり食べたい派)は、これらの商品を常にストックするようになりました。

 他にもセブン&アイグループで販売されている「厚切りポテト たらこバター味 135g」は135gで278円。同シリーズは、贅沢のりしお味、石垣の塩味、うま辛チリ味などがそろい、価格とプレミアム感のバランスが秀逸です。

 つまりコスパを維持しながらたっぷり食べたい派の選択肢は減っておらず、むしろ増えているのではないかということ。カルビーとしてのナショナルブランド商品だけに固執しなければ、カルビー製造のポテチ商品は増えていると捉えることができます。

◆スタバのポテチはカルビー製。最安フードとして大人気!

 実はスタバのポテチもカルビー製。コーヒーやフレーバードリンクに相性が良いように厚切りでカリカリ食感を重視したシーソルト味は、50gで220円です。

 これはカフェ価格で考えれば超リーズナブルであり、スタバのフード類の中では2番目に安い商品として人気を集めています。このようにカルビー製のポテチは、スーパーやコンビニだけにとどまらず、さまざまな売り場の世界観に合った“カルビーらしさが光るポテチ”として変化や成長を遂げているのです。

 今回のポテチ値上げ問題には素直に声をあげつつも、これを機に、カルビーのポテチをいろいろ探してみるのも面白いのではないでしょうか。

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

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  • 日本人で日本にしか住んだことないから海外の値段なんて知ったこっちゃないけどポテチに限らずPB品買う事が増えた。PBだけど大手企業製造ってよくある
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