「ぬるぬるのお引越」――メディアアーティストの落合陽一氏が代表を務める「計算機と自然」は10月1日、大阪・関西万博のパビリオン「null2」(ヌルヌル)を、万博閉幕後に別の場所へ移設するためのクラウドファンディングを「READYFOR」で開始した。目標金額は1億円。
万博では超人気パビリオンで、入場枠の当選確率はわずか数%だったnull2。移設先は未定だが、より多くの人に体験してもらうことを目指す。クラウドファンディングで、移設に向けた再設計・見積もり費用などをまかなう予定。12月19日まで支援を募る。
null2は、伸び縮みする鏡素材「ミラー膜」の外装を、内部からロボットアームで動かすことで生き物のように変形し、周囲の風景を映し出す。内部は全面が鏡面状のLEDモニターに囲まれた「無限に反射する空間」空間で、時間や空間の認識を問い直す。開発には太陽工業やアスラテック、NOIZなどが参画した。
移設にあたっては、万博のパビリオンをそのまま移動するのではなく、コンセプトを保ちながら新天地に合わせた規模とデザインで再設計する方針だ。
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移設の声は全国各地からかかっているが、場所や環境に合わせた再設計などの資金がないため、企画検討や見積もり、設計、記録映像制作などにかかる費用を募る。企業からの協賛金集めも並行しているという。
目標金額に届かなくてもプロジェクトを実行する。移設を断念した場合も記録映像制作や基本計画策定の費用に充当するため返金はない。
支援額は1000円から1000万円。リターンには、null2のミラー膜を使った「null2のカケラ」や「ぬるぬる」の文字が書かれた限定パーカー(落合氏デザイン)、落合氏による写真のプリント作品、null2の模型など。
落合氏は「『さようなら』は始まりである.終わりがあれば始まりがあり,始まりがあれば終わりがある.生まれ生まれ生まれて生の始まりに暗く,死に死に死んで死の終わりに瞑し.ヌルにいいかえれば生まれ生まれ生まれて生の始まりにヌルヌル,死に死に死んで死の終わりにヌルヌルだ.始まりも終わりもなく我々はずっとヌルヌルしていると思いたい」などとコメントしている。
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