【阪神】戦力外の森木大智「前を向いて」現役続行意向…スーパー中学生、高校BIG3、ドラ1

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2025年10月01日 20:58  日刊スポーツ

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戦力外通告を受け心境を語る阪神森木(撮影・白石智彦)

阪神は1日、森木大智投手(22)ら7選手と来季の契約を結ばないことを発表した。森木はかつて「スーパー中学生」として騒がれ、21年ドラフト1位で高知高から入団。1年目の22年から2試合に先発したが、2年目以降は1軍から遠ざかっていた。昨オフに育成契約を結ぶなど苦しんだ4年間に区切りをつけ、現役続行を目指す。渡辺諒内野手(30)、佐藤蓮投手(27)、野口恭佑外野手(25)、川原陸投手(24)、鈴木勇斗投手(25)、ホセ・ベタンセス投手(25)も戦力外通告を受けた。


   ◇   ◇   ◇


森木の表情に悲壮感はなかった。苦しみ、もがき続けた4年間。胸を張れるだけの努力を積み重ねてきたから後悔はない。冷静に目の前の現実を受け止めた。


「本当に4年間、結果が出なかったので。それが一番かなと思っています」


高知中時代、軟式球で中学生史上初めて150キロを計測。「スーパー中学生」として騒がれ、スター街道を歩んできた逸材だ。高知高でも1年夏からエースナンバーを背負い、最速154キロ右腕に成長。DeNA小園、ソフトバンク風間とともに「高校BIG3」と称され、21年ドラフト1位で阪神に入団した。


鳴り物入りで飛び込んだプロの世界では、1年目の22年8月28日中日戦で1軍デビュー。いきなり154キロも計測した。先行き明るく映ったシーズン。しかし、がむしゃらに投げていた当時のことを「思い切りやってやろうというのが強かった」と振り返ることもあった。体にかかる大きな負担なども感じ取っていた。


投球に対する知識不足を実感したこともあり、2年目からは投球を基礎から全て見直した。物理学や身体の構造から徹底的に勉強。オフには外部施設での“出稽古”も行うなど、1軍定着を目指してあらゆる試行錯誤を重ねてきた。


それでも結果が遠かった。1年目を最後に1軍登板はなく、昨オフには育成契約を結んだ。今季は同じ高知出身の藤川監督のもとで支配下復帰を目指したが、かなわなかった。「1年目は怖いもの知らずでバッターと勝負を楽しんで投げられていたけど、そこからいろんなことが見え始めて。少しずつ矢印が自分の方向に向きすぎてしまった」。そう言い終えると、少しだけ悔しさをにじませた。


まだユニホームを脱ぐつもりはない。トライアウトについても「前向きに検討しています」と明かした。


「もちろん現役はまだまだ若いので続けたいと思っています。僕の中で消化しきれていない自分の目標だったりもある。それに向けて前を向いて頑張ろうと思います」


積み重ねてきた確かな取り組みは、次のステージで証明してみせる。【波部俊之介】


◆森木大智(もりき・だいち)2003年(平15)4月17日、高知県土佐市生まれ。高知中時代は軟式で150キロを計測し、3年春夏に全国制覇。高知高では甲子園出場なし。21年ドラフト1位で阪神入り。1年目の22年から2試合に先発するも白星はなし。昨年11月に育成契約となった。今季はウエスタン・リーグ14試合に登板し、防御率13・81。184センチ、94キロ。右投げ右打ち。


<森木苦闘アラカルト>


◆鮮烈1軍デビュー 1年目の22年8月28日中日戦(バンテリンドーム)でプロ初登板初先発。5回1安打無失点の好投で最速154キロを計測。


◆首の張り 22年オフのフェニックスリーグ参加中に首の張りを訴えて帰阪。23年3月15日の教育リーグ・ソフトバンク戦で約5カ月ぶりに実戦復帰。


◆右肩の違和感 右肩の違和感で24年6月9日を最後に約2カ月登板なし。8月7日の法大とのプロアマ交流戦で実戦復帰。


◆1軍登板なし 2、3年目は1軍登板なし。23年は2軍15試合で防御率6・15。24年は2軍21試合で防御率11・32。


◆フォーム修正 昨秋キャンプで投球フォームを修正。ゴムチューブを用いて動きを覚えることも。同じ高知出身でもある藤川監督からもキャッチボール中に指導された。


◆育成契約 昨年11月に育成契約で合意。背番号は「20」から「120」に変更。支配下復帰はかなわず3年連続の1軍登板なしとなった。

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