被害女性、全身に傷数十カ所　私物の回収時にトラブルか　東大阪刺殺

　東大阪市の店舗兼住宅で女性が刺殺された事件で、女性の全身に数十カ所の刺し傷などがあったことが大阪府警への取材で判明した。女性は事件当日、以前交際していた永久寛史容疑者（51）＝殺人容疑で逮捕＝の自宅に私物を取りに訪れていたといい、府警が被害に遭った原因を調べている。

　府警は3日、永久容疑者を殺人容疑で送検した。

　府警捜査1課によると、死亡したのは住所不詳の無職、佐藤ありささん（33）。司法解剖の結果、死因は失血死だった。全身に刺し傷や切り傷が数十カ所あり、一部は臓器まで達していた。

　永久容疑者は現場の建物の1階でバーを経営し、2、3階部分の住宅で生活していた。佐藤さんとは過去に数年間交際し、同居していた時期もあったという。

　佐藤さんは事件当日の1日午前11時半ごろ、置いていた衣服などを取りに行くために容疑者宅を1人で訪れた。訪問することは前日に告げており、家に入ってから約1時間後の午後0時半ごろ、容疑者に刃物で刺殺されたとみられる。

　事件の4日前には容疑者宅を訪ねた佐藤さんから、「荷物を取りに来たが（容疑者が家に）入れてくれない」と110番があり、警察官が現場で対応していた。

　永久容疑者は佐藤さんを刺したとみられる約1時間後、自宅近くの府警枚岡署に「女性を刺した」と自首した。自宅を確認した警察官が、3階の一室で血を流して倒れている佐藤さんを発見。血のついた包丁が室内で2本見つかった。

　永久容疑者は容疑を認め、「自宅で被害者と話をしていたが次第にもみ合いになり、腹が立って包丁を手に取った。感情が一気に暴発してしまった」と供述している。

　府警は容疑者が強い殺意を持って佐藤さんを襲ったとみて、詳しい経緯を調べている。【斉藤朋恵、大坪菜々美】