



私に頭を下げる父と、涙ながらに謝る母。その姿もなんだか悔しくて、私はそのまま実家を飛び出しました。酔っぱらって大泣きする私を、自宅で出迎えてくれた夫。穏やかに話を聞いてくれたので、私もようやく落ち着くことができました。




私は兄嫁たちが父から怒られないようにと先回りして、自分でも自覚のないまま母と似たような言動をしていました。結果的に具合の悪い妊婦のユキさんをこき使うようなこともしてしまって……。本当に申し訳なかったです。



父に謝罪を受けたことで、今まで以上の怒りがわいてきました。ずっとくそジジイでいたらいいのに。母だって搾取されるままでいたらよかったのに。そうしたら私もずっと今の生き方を正当化していられたはずです。父のせいで、母のせいで、私はこんなにイヤなやつになってしまったんだから。
でも誰かのせいにしているだけでは、私も未来はくそババアです。両親は変わりました。今までの生き方を反省して、よりよい未来を考えているのだと思います。だから私も変わることにしました。憎しみにとらわれていたら幸せになれない。まだ両親を完全には許していないけれど、それでは私は成長できないと気付いたのです。マリカさんがかけてくれた率直な言葉が、私の背中を力強く押してくれたような気がしています。
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