
気軽に旅に出かけられる車中泊。宿泊施設の予約もいらないため、自由なプランニングができ、ホテル代の節約にもなるため、この数年で車中泊ユーザーの数もかなり増えている印象です。
しかし、テレビなどでも時々話題になるのが、車中泊をする際のNG行動です。筆者も車中泊をすると、マナーの問題はもちろん、命の危険がある行為や他者に迷惑をかける行為を見かけることがあります。
そこで今回の記事では、車中泊歴7年超の筆者が、いくつかある「車中泊で絶対にしてはいけないこと」の中から、特にこれは絶対にNG! というものを3つご紹介します。
これから車中泊を始める予定がある人は、何がダメなのか分からないまま失敗をしてしまうこともあると思います。
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ぜひNGとされることを知ってから、安心して車中泊をスタートさせてくださいね。
●車中泊で絶対にしてはいけないこと1:場所や設備の無断使用
日本は海外と違い、車中泊可能な施設はまだまだ少なめです。法律や権利上の問題、安全面、マナーの問題もあり、どこでも車中泊ができる環境というわけではありません。
では、車中泊ユーザーはいったいどこで車中泊をしているのでしょうか。
車中泊が許可されているキャンプ場やRVパークを利用している人が多いと思います。しかし、道の駅やサービスエリア、公共の無料駐車場などを利用している人もいるようです。
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「道の駅やサービスエリアで車中泊しちゃダメなの? みんなしてるよ!」と思われるかもしれませんが、実は道の駅やサービスエリアは、国土交通省などで「仮眠はOK、長時間滞在になる車中泊はNG」となっています(出典:国土交通省)。
ただ、公共の駐車場の中には車中泊OKとなっている場所があるものの、多くの場合、車中泊について特に取り決めがないか車中泊を黙認しているだけ、というのが現実のようです。
基本的に、道の駅やサービスエリア、公共の駐車場での車中泊はグレーであることを認識し、車中泊が許可された場所でのみ車中泊をするのが鉄則です。
また、道の駅やサービスエリアの駐車スペースは、あくまでも車を停めるためのスペースです。駐車スペース内であっても、テーブルや椅子を車外に出してくつろいだり、車外で食事を取ったりする行為はNGです。
キャンプ場やRVパークなどには、屋外で過ごすことを許可している施設が数多く存在します。テーブル・椅子の屋外使用やカーサイドタープなどを外に設置したい場合は、使用が許可された車中泊スポットを利用しましょう。
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道の駅やサービスエリアはもちろんですが、車中泊が許可された場所であっても、施設内のトイレや水道を適切に使いましょう。トイレの手洗い場で衣服や靴、食事後の食器や調理器具を洗う行為もマナー違反になります。
電源の使用も適切に行いたいですね。事前に電源が使用できる車中泊スポットを調べて利用するようにしましょう。
●車中泊で絶対にしてはいけないこと2:騒音やごみの放置などの迷惑行為
騒音など「音」に関することも、車中泊で問題になりがちです。
家族や友人、知人との車中泊で気持ちが大きくなり、ついつい騒いでしまったり、お酒を飲みすぎて話し声が大きくなってしまったり……。大自然の開放感からか、大音量で音楽をかけてしまう人もいるようです。
車中泊が許可された場所であっても、周囲に迷惑をかけない配慮は大切です。特に、夜間は車内で就寝している人が多いため、大声で騒いだり、大音量で音楽を流したりする行為はNGです。
ドアの開け閉めなどにも気をつけ、わざと大きい音を出したり、力いっぱいドアを閉めたりせず、静かに過ごすようにしましょう。
また、車内の温度調節に対応するために、車のエンジンをかけっぱなしにしてカーエアコンを一晩中使用している人を見かけることがあります。停車中にエンジンをかけっぱなし(アイドリング)のままでは、周囲に音や排気ガスなどで、迷惑をかけてしまいます。さらに、一酸化炭素中毒の危険もあるため、絶対にNGです!
車中泊時に車内で過ごす際は、必ずエンジンを止めておくようにしてください。
そして、ごみ問題も深刻です。
車中泊中に出たごみを、サービスエリアや道の駅、コンビニなどのごみ箱に捨てるのも、迷惑行為の1つになります。
「ごみ箱があるから捨てて良いのでは?」と考えがちですが、他所で出たごみを持ち込んで大量に捨てる行為は、施設にとっては明らかに迷惑でしょう。
サービスエリアや道の駅にあるごみ箱は、あくまで施設利用で出たごみや、ドライブ中に飲んだペットボトルを捨てる程度が想定されており、ごみの持ち込みはNGとされている場所がほとんどです。
車内調理で出た生ごみや、お弁当などの容器、おむつなどは施設のごみ箱に捨てずに、必ず持ち帰るようにしましょう。
どうしても大量にごみが出てしまう、夏場は車内で生ごみが腐ってしまうので捨てていきたいという場合は、ごみの回収サービスを行っているRVパークやキャンプ場を利用するのも1つの方法です。
ごみ捨てを現地で行いたいときには、ごみの回収が可能な施設を利用しましょう。
●車中泊で絶対にしてはいけないこと3:命の危険がある行為
車中泊の際にもっともやめていただきたいことは、命の危険がある行動や、犯罪に巻き込まれる可能性のある行為です。
「車中泊で命の危険?」と疑問に思われるかもしれませんが、危険を知らぬまま、または知っていても「大丈夫でしょ」と問題に捉えず行ってしまっていることがあります。
例えば、先述した長時間のアイドリングも、命の危険がある行為の1つ。「自分は大丈夫」「暑いから仕方がない」と行っている人を見かけますが、絶対にNGです。
就寝時は必ずエンジンを切り、起きている時間も、車のドア・窓を完全に閉めたまま、アイドリング状態で過ごさないようにしてください。
車内での火器や暖房の使用も、適切に換気を行った上で、一酸化炭素チェッカーなどを持参するのがおすすめです。
また、車内での調理など火器の使用は、一酸化炭素中毒の問題だけでなく、火災の原因にもなります。車内では調理に電気を使う、車外で調理するなど、注意をして火器を扱った上で、小型の消化器を持参するとなおよいでしょう。
車内で長時間睡眠を取る車中泊は、駐車場所にも注意が必要です。例えば、傾斜がある場所での車中泊はなかなか寝付けない、眠れないなどの問題だけではなく、転倒やスリップの可能性もあるためおすすめできません。
さらに、海や川沿いでの車中泊も避けたい場所の1つ。大雨による増水や地震による津波、荒天候による災害に巻き込まれる可能性があります。
●車中泊の防犯対策
最後に、車中泊中の防犯対策についてです。車中泊中に巻き込まれやすい犯罪として、性犯罪や盗難などが挙げられます。
まず、のぞきや性犯罪対策として、全ての窓にカーテンやサンシェードを付けて目隠しをし、車内が見えないようにしましょう。さらに、就寝時は必ず施錠するようにしてください。
夜間のトイレなど、少しの時間でも車から離れる場合も施錠しましょう。車上荒らしなどの盗難の被害も非常に多いです。
特に夜間は長時間車から離れないようにし、離れる際や就寝時は必ず施錠するクセをつけておきたいですね。