3日午後、米スタンフォード大で開かれた漁業の課題を解決する「スシ・ハッカソン」で優勝したチーム 【シリコンバレー時事】米西部カリフォルニア州のスタンフォード大で3日、若手技術者が生成AI(人工知能)を使った漁業の課題解決をテーマに技術力を競う「スシ・ハッカソン」が開かれた。同大など地元の学生や、シリコンバレーの大手IT企業の技術者ら14チームが参加し、優勝賞金3万ドル(約440万円)を懸けて漁師の仕事を改善するシステムを披露した。
ハッカソンはプログラミングを意味する「ハック」に「マラソン」を組み合わせた造語で、参加者が競い合いながらソフトを開発するイベント。
今回のハッカソンは、スタンフォード大アジア太平洋研究センターと、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援事業を手掛けるGDX(東京)が共催。約600チーム、2000人以上の若手技術者が応募し、事前審査で選ばれた14チームが参加した。AIでどこにどのような種類の魚の群れがいるかを予測するシステムや、魚の市場価格やコストの管理システムなどが披露された。
優勝したのは20代の学生ら4人のチーム。漁船に搭載したセンサーのさまざまなデータをAIで分析し、不具合の兆候やメンテナンスの必要性をスマートフォンから確認できるシステムを開発した。実際に漁師から悩みを聞き取った結果だといい、メンバーの1人は「漁師の手間を省き、漁に専念できるようにしたかった」と話した。
GDXの洞田潤最高経営責任者(CEO)は「どれも良いアイデアと高い技術力があり、審査もかなり競っていた」と総括した。